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[林信吾]【安倍首相、移民と難民は違いますよ!】~ヨーロッパの移民・難民事情 特別編~

Japan In-depth / 2015年10月5日 23時0分

具体的には、女性と高齢者の活躍や少子化対策などだそうだが、案の定、日本は難民問題より国内政策を優先させる考えだ、といった批判的な記事が、ロイター通信から世界に配信されてしまった。

数年前から、少子高齢化社会に対応して、圧倒的な人手不足が見込まれる看護・介護職などは、移民労働者に頼るのが得策ではないか、という意見が強まる反面、移民が増えるとなにかと問題も増える、といった反対論も根強い。

安倍首相の今次の発言は、彼が腹の底では、移民など「美しい国」に迎え入れたくない、と考えていることを自己暴露したわけだが、そもそも、誰も移民政策についての質問などしていない。故意に話をすり替えたのでないとすれば、国際情勢に対する無知・無理解にもほどがある、と言うべきだろう。なぜこれが失言問題にならないのか。

テロや武力紛争の最大の被害者たる難民に、救いの手を差し伸べようとしない「積極的平和主義」など、聞いて呆れる。そんな首相が目指す「一億総活躍社会」も願い下げだ。

手前勝手な「大東亜共栄圏」をぶちあげて戦争を引き起こし、国土が焼け野原になったら今度は「一億層懺悔」などと、ふざけた責任逃れを試みた、あの時代の指導者の一人が、今の首相の祖父であったことを思い起こしたのは、私だけであろうか。

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