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サミットに不満の中国、弱い犬程良く吠える

Japan In-depth / 2016年5月31日 8時16分

サミットに不満の中国、弱い犬程良く吠える

宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)


「宮家邦彦の外交・安保カレンダー(2016年5月30日-6月5日)」


今週は珍しく、世界では大きなニュースがない。一方、日本では衆議院解散・ダブル選挙の可能性がまだ一部で取り沙汰されている。政治とは嫉妬の塊であり、サプライズの芸術でもある。ダブル選挙があり得ると考える人々にとって、政府要人が否定すればするほど、「ダブル選挙はある」との確信を深めるだけだ。


これに対し、衆議院解散などあり得ないと考える人々は、全ての兆候は「安倍首相が同日選を諦めた」ことを示していると読む。だが、日本に関する限り、政治は一寸先は闇だ。首相は解散について嘘を言って良い。そもそも、政治家であれば、勝てる時に解散するのは当然ではないか。筆者は衆議院解散があっても全く驚かない。


〇欧州・ロシア 


30日にフランスが中東和平問題で20カ国の閣僚を招いて会合を主催するそうだが、今更何故フランスなのか。100年前ならともかく、今のフランスにイスラエル・パレスチナ問題を動かす影響力などない。アリバイ作りに過ぎないのではなかろうか。


〇東アジア・大洋州


中国が伊勢志摩サミットの首脳宣言に「強い不満」を表明した。相変わらずのドギツイ表現だが、中国が普通の「不満」を表明したことはあるのか、と突っ込みたくもなる。新華社通信は「成果が乏しかった」、「議題は空虚で実質性がない」と批判した挙句、「議長国として日本はサミットの場を私物化した」と批判したそうだ。弱い犬ほどよく吠える。今回サミットが如何に成功したかは中国側の反発の大きさが如実に示している。


〇中東・アフリカ


最近、シリアやイラクでISに対する軍事攻勢を強める動きが出てきている。シリアではラッカ、イラクではファルージャで、それぞれ反IS作戦が始まると報じられたが、現在のシリアやイラクの正規軍がどの程度事態を掌握しているかは未知数だ。


中東での戦争は武力だけでは勝てない。敵を陰で支援する有力部族がいる限り、戦闘に勝っても、戦争には負ける。そこでは何万発もの砲弾よりも、数万ドルが戦闘の趨勢を大きく左右することだってある。IS殲滅は決して簡単ではないのだ。 


〇アメリカ両大陸


トランプ候補が29日、退役軍人の集会で、「今後も日本を守っていければいいと思うが、いつでも立ち去れるよう用意もしなくてはならない。日本は費用の50%しか払っていない。なぜ100%払わないのだ」と述べたそうだ。


100%払えば、米軍は事実上日本の傭兵となってしまう。これは日米間で20年前に散々やった議論だが、実務経験のないトランプ氏にはとても目新しい話なのだろう。米大統領選挙は今後、一波乱も二波乱もありそうだ。 


〇インド亜大陸 


特記事項なし。


今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

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