トヨタ・スズキ提携交渉“第2のトヨス”か? その1
Japan In-depth / 2016年10月21日 23時0分
この集約ですが、その要因としてよく言われるのは、1)規模の拡大 2)技術的補完 3)救済統合 の3点です。ルノーが日産を買収した、日産が三菱を買収した、これは完全に3)の救済統合型です。トヨタがダイハツへの出資比率を段階的に引き上げ、最終的に100%の完全連結子会社にしたのも、救済ではないにしろ、垂直統合によるトヨタとの一体化です。
富士重はGMと提携をしていたものが、GMが倒産し株の売却を余儀なくされたこと、富士重自体の収益も悪化し、一時期米国工場でトヨタ車の受託生産を受け持ち、トヨタとの提携の道を探ったという背景があります。1)と3)の双方の側面を持つ例でしょうか。いすゞもGMと提携していましたが、やはりGMの経営不振により関係解消、その後ディーゼルエンジンの共同開発などの理由でトヨタに株式を引き取ってもらったという背景ですが、ディーゼルエンジン技術を狙った2)の技術的補完の側面が大きかったと言えます。但し、この共同開発構想は実を結ばず、現在では事実上、中止となっています。
ヤマハは、その昔、F1などでハイパフォーマンスエンジンの開発を進め、トヨタの2000GTなどのエンジンも供給、現在でも一部のレクサス車にエンジンを供給しています。2)の要素が強い提携ですが、現在ではヤマハからのエンジンの販売数量は減少の一途です。
そして昨年、マツダとの提携を発表、こちらは出資関係は全く無し。豊田社長曰く、“一緒にもっといい車を作ろうよ”、“婚約した”ということになっていますが、具体的な協業は、トヨタからマツダのアクセラなどにHVユニットを供給していること、ダイハツ製の軽自動車をOEMでもらい、国内で販売していることぐらいでしょうか。将来、米国でのZEV規制強化などもにらみ、トヨタからマツダがPHVなどの技術供与を受けるとの見方や、富士重同様、スポーツカーの共同開発に乗り出すという噂もありますが、現在の“婚約状態”から“結婚”に移行するのか、正式に固まったものの発表はまだありません。
これに続くのが今回のスズキとの提携ということになりますが、こちらもまだ、提携交渉の検討を始める、という段階で、詳細は何ひとつ、決まっていない、豊田社長曰く、“お見合いの段階”というのが現状です。
(その2に続く。全3回。毎日23:00に掲載予定)
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