デマと誤報暴露で韓国世論変化
Japan In-depth / 2017年1月15日 22時25分
朴斗鎮(コリア国際研究所所長)
朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾訴追案が昨年12月9日に国会で可決されてから1カ月が過ぎた。1月12日には憲法裁判所で4回目の弁論が開かれ、崔順実裁判も2回目の公判が開かれた。朴大統領は、法廷対決に備える一方、世論にも対応する姿勢を見せている。
朴大統領側の関係者は聯合ニュースに対し、「一方的に世論が良くない方向に形成され、大統領に非があったとしても(実際より)拡大されたのではないかという残念な気持ちがある」と述べた。世論をあおる一方的な主張や報道についてモニタリングしており、必要な場合は法律代理人を通じ問題を提起するとの方針を示した。
青瓦台は、事実でなく根拠のない疑惑に対しては強く対応し、朴大統領から離れた支持層(保守層)を再結集する必要があると判断している。しかしセヌリ党が崩壊し、保守層が浮動票化してしまった状況で再結集はそう簡単ではない。
1、ショックから立ち直りつつある保守勢力
「崔順実(チェ・スンシル)ゲート」報道が乱舞する中でこの間、朴大統領に対するデマと誤報は韓国のみならず日本のテレビ局をも覆った。
いわく、朴槿恵大統領は青瓦台で「クッ(シャーマニズムの祈祷)」を行った、チャ・ウンテックが深夜に朴大統領と密会した、崔順実が大統領専用機に同乗した、崔順実の息子が青瓦台に勤めている、THAAD(Terminal High Altitude Area Defense missile:サード:高高度ミサイル防衛システム)配備も国定教科書も開城工団閉鎖も慰安婦合意もGSOMIA(General Security of Military Information Agreement:ジーソミア:軍事情報包括保護協定)合意も崔順実のお告げだった、などのとんでもないデマと誤報が世界に発信された。
甚だしくはアメリカ大使館がろうそくデモに賛成した、アメリカ政府が「ろうそくデモを支持した」などの報道も捏造された。こうして左派系労組と親北・従北系の市民団体が中心となって、選挙で選ばれた大統領を法に基づく審判ではなく「人民裁判」的デモと罵倒で引きずり降ろそうとした。
崔順実スキャンダル報道でショックを受け脱力感に陥っていた保守層も、報道の中に誤報とデマが数多く含まれていることに気付き、ろうそくデモに参加していた人たちも朴大統領弾劾棄却へと結集し始めている。それはデモの動員数にも表れ始めた。
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