岸田文雄候補人間力分析 自民党総裁選 その1
Japan In-depth / 2021年9月26日 18時14分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
【まとめ】
・自民党総裁選「人間力・候補者分析」、第1回目は岸田文雄候補。
・人間性について批判はほぼ聞ないが、「優柔不断」「戦わない男」とも。
・協調型リーダーを新たな時代が求めているのかもしれない。
自民党総裁選の季節が来た。毎回恒例の「人間力分析」「候補者分析」を行っていく。第1回目は岸田文雄さん。昨年も行ったが、改めて前回の分析を見ると、菅さんの記述など、取材が不足していたと反省している。
さて、岸田文雄さんの「人間力」。まずは、軽くプロフを。外務大臣、防衛大臣を歴任した「大物」政治家、自民党政調会長を務める広島1区(広島市中区・東区・南区)選出の衆議院議員である。
最近は「戦う政治家に豹変」「確変した」「一皮むけた」との声もある。岸田さん(筆者の高校の先輩なので)を「公平に」分析していきたい。
■ 岸田さんのエリート?キャリア
1957年7月29日生まれの63歳。広島市出身。血液型AB型。父親は政治家の岸田文武さん、祖父は岸田正記さんの政治家3世。父親は通産官僚出身。小学校1年~3年生までNYの小学校(現地校)に通い、千代田区立永田町小学校、千代田区立麹町中学校を経て、私立開成高等学校に入学・卒業。高校時代は野球部で熱心に活動していて、1年からレギュラー。セカンドがポジション。広島カープ好きというのもわかる。
2年の浪人生活を経て、早稲田大学法学部に入学・卒業。東大に3回挑戦して失敗したことに対してかなりの挫折感を持っている。1982年に、日本長期信用銀行に入行し、87年まで勤務。1993年に出馬し初当選。以降8回の連続当選を誇る。
■ チームプレーを重視する良き常識人
全般的に「良き常識人」と評価を受けている。人間性については悪い批判をほぼ聞かない。一方、「優柔不断」「話がつまらない」「戦わない男」ともいわれてしまっていた。中島岳志東工大教授は「当たり障りのないことを言う天才」と評価するほどだ。
より深いところでは、同級生や後輩からは「愚痴を言わない」「敵を作らない」とリスペクトをされている。高校野球部の最後の夏、東京都の予選において、岸田さんのトンネルで負けにつながるエラーをしたそうだが、周りのチームメートは誰も岸田さんに不満をいわなかったそう。
同僚の政治家からも「真面目で、人を裏切らない。我田引水もせず、公正中立。外相としてオバマ米大統領の広島訪問を実現させるなど、手柄は多いのに自分からアピールしない」(読売新聞より)と言われたり、他の政治家からもそう言われている。
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