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デンマークのスタートアップイベント「TechBBQ」でみたNordic Way

Japan In-depth / 2021年10月6日 14時37分

デンマークのスタートアップイベント「TechBBQ」でみたNordic Way


北欧研究所:内田真生・安岡美佳


【まとめ】


・デンマークで開催されたスタートアップイベント「TechBBQ」。


・北欧は社会的な信頼と支援=「Nordic Way」が整っている。


・大学と企業の距離が近く、学びながら働く感覚を身に着ける環境も。


 


2021年9月16日、17日の2日間に渡り、デンマーク・コペンハーゲンで開催された北欧のカンファレンス型スタートアップイベント「TechBBQ」。北欧のスタートアップイベントでは、フィンランドのスラッシュやエストニアのLatitude59が有名だが、スタートアップ界隈では「TechBBQ」がその独自性からも注目されている。シリコンバレーやロンドンとは異なる独自の「Nordic Way」を貫いたこのイベントは、2012年に始まり、フィンテックやヘルステックをはじめ、幅広いテクノロジースタートアップが参加している。


 


会場では、多数のスタートアップ企業とそれを支えるファンドが集まり、各自のブースで個別PRをするだけでなく、調達資金をめぐるコンペティションやステージ上でのセッション等、盛沢山のイベントが行われた。本稿では、スタートアップイベント「TechBBQ」が示す「Nordic Way」について紹介する。



画像)「TechBBQ」会場内のメディテーションスペース


出典)筆者提供


 


Nordic Wayのスタートアップエコシステム

そもそもスタートアップエコシステムの「Nordic Way」とは何を意味しているのだろう?


 


Tech BBQの現CEO(Chief Executive Officer)であるAvnit Singh氏が、2019年に示した答えは、次のようなものであった[1]。


 


スカンジナビアの国々は起業の容易さ、高スキルの人材の多さ、失敗しても自分を守ってくれるセーフティーネット等、既にビジネスに適した条件が揃っている。そして、社会はオープンで、人々は信頼関係を構築できていると同時に、高度にデジタル化されている。これにより、データプライバシーを順守しながら、スタートアップ、政府、企業による、独自のデータコラボレーションを可能にしている。また、独自のビジネスチャンスに加え、スカンジナビアの国々に根付く、育児休暇や長期休暇といったワークライフバランスを継続的に維持している。健康的な労働力と革新的なバッテリーを再充電する機会がなければ、新たな意味のあるビジネスを花開かせることはできない、という事実を我々は知っている。つまり、ノルディックエコシステムとは、「スピードと破壊」によるアプローチを持つシリコンバレー型のエコシステムを目指すものではない。


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