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政治的窮地に立つネタニヤフ首相

Japan In-depth / 2024年5月8日 18時0分

今もイスラエルは将来の、より洗練された、ラファ侵攻作戦を準備しつつあるが、
米国の対イスラエル圧力も相当なもので、ネタニヤフも妥協せざるを得ないのか
という訳で、今後ガザをめぐり人質解放と停戦に向けた交渉が動くかもしれない

 と書いた。それでも、イスラエル・ハマース双方の意見の隔たりは大きく、5月6日にハマースが受け入れを発表した「停戦案」をイスラエルは承知していなかったともいわれる。今ネタニヤフ首相はラファ完全占拠を求める超保守連立政権パートナーの支持を失いかねない「政治的窮地」にあるとBBCなどは分析している。なるほどね。


 確かに、一つ間違えると、ネタニヤフは米国のバイデン政権か、現在の保守強硬派連立政権か、人質問題と戦争長期化に不満を募らせるイスラエル国民の支持、のいずれかを失いかねない。最近、ネタニヤフ政権はイスラエル国内にあるアルジャジーラの支局を閉鎖したが、こんなことで現在の局面を打開することは難しいだろう。


  続いては、いつもの通り、欧米から見た今週の世界の動きを見ていこう。ここでは海外の各種ニュースレターが取り上げる外交内政イベントの中から興味深いものを筆者が勝手に選んでご紹介している。欧米の外交専門家たちの今週の関心イベントは次の通りだ。


5月7日 火曜日 ボスニアヘルツェゴビナ大統領、ドイツ訪問終了


5月8日 水曜日 北マケドニア、議会選挙


 ブラジル中央銀行、金利決定


フィンランド大統領、ドイツ訪問


5月9日 木曜日 ペルー前大統領に対するペルー議会公聴会開始


 G7法務大臣会合(イタリア)


5月12日 日曜日 カタロニアで地方選挙


リトアニアで大統領選挙


5月13日 月曜日 ギリシャ首相、トルコ訪問し首脳会談


 最後は、いつもの中東・パレスチナ情勢だが、前述の通り、今回の交渉が実を結ぶかどうかは予断を許さない。但し、今回の米国の対イスラエル圧力は相当大きく、ネタニヤフ政権としても、バイデン政権を無視できない状況に置かれているのだろう。


 先週書いた通り、「いずれにせよ、戦闘が終わるときはイスラエル、ハマース双方が勝利宣言をする」「逆に言えば、勝利宣言がなければ、本当の停戦にはならないということ」だ。


 ハマースがそろそろ参り始めていることは間違いないが、問題はイスラエルが「まだ勝てる」と思っていることだ。戦争当事者のどちらか一方でも「まだ勝てる」と思う限り、戦争は終わらない。現状では、仮に一時停戦が実現しても、恒久停戦は難しいのではないか。


 今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは今週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。


トップ写真:ガル・メール・アイゼンコット上級曹長の葬儀に参列するイスラエルのネタニヤフ首相 2023年12月8日 ヘルズリヤ イスラエル 出典:Alexi J. Rosenfeld/Getty Images




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