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「学歴詐称」以上の問題がある イスラム圏の教育事情について その1

Japan In-depth / 2024年5月19日 23時39分

「学歴詐称」以上の問題がある イスラム圏の教育事情について その1




林信吾(作家・ジャーナリスト)





林信吾の「西方見聞録」





【まとめ】





・小池百合子東京都知事の学歴詐称疑惑がまたもや取り沙汰されている。





・重要な論点のひとつは、日本の学歴社会の問題。





・彼女がもし都知事として申し分のない実績を残していたなら、この疑惑が取り沙汰される事態は考えにくかったのでは。





 





小池百合子・現東京都知事の学歴詐称疑惑が、またもや取り沙汰されている。





もともとニュースキャスターであった彼女が、1992年の参議院選挙に日本新党から立候補した当時から、





「カイロ大学を首席で卒業した」





という彼女自身の触れ込みはどうも怪しい、と見る向きは少なからずあった。





2020年には、当のカイロ大学が、





「1976年に(同学の)文学部社会学科を卒業している」





との公式声明を発表しているが、今年になって、彼女の側近(都民ファーストの会・事務総長)だった人物が、この声明文について、実は自分が提案したものであった、と証言し『文藝春秋』が大きく取り上げる、という経緯があったわけだ。





すでに幾度も報じられていることなので、くだんの声明や記事について、ここでは深掘りしない。ただ、ネットの一部から聞かれる、マスメディアがこの問題を大々的に扱おうとしないのは、なんらかの圧力(もしくは忖度)のせいではないか、といった声については、それは少し違うと申し上げたい。





理由は、割と単純なことなのだが、小池都知事の側は、大学の公式声明文という「物証」を示しているし、過去には卒業証書や卒業証明書の写真も公開している。これに対して、元側近という人は、





「本当はカイロ大学を卒業していない」





と確信し得るような証拠を、なにひとつ示せていないのである。物的証拠がないのに有罪認定できるはずがない。





それならば、なぜ……と新たな疑問を抱かれた読者も、少なからずおられるのではないだろうか。





卒業証書までちゃんとあるのに、どうして「学歴詐称疑惑」が繰り返し取り沙汰されるのか、と。





こちらも実は、割と簡単な理由で、彼女のアラビア語について、





「到底カイロ大学を卒業できるレベルではない」





と断ずる人が多いからである。





1990年8月、サダム・フセイン麾下のイラク軍が、隣国クウェートに侵攻し、国土の大半を占領。世に言う湾岸危機が始まった。





この際に、多くの外国人がイラク軍によって拘束され、戦略上の重要拠点に「人間の盾」として配されたことをご記憶ではないだろうか。





もう少し具体的に述べると、在クウェート日本大使館では、イラク軍が国境を突破したとの報に接するや、同国の在留邦人261人を施設内に退避させた。





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