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チャド大統領選、デビ現暫定大統領が勝利(チャド)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月20日 14時15分

アフリカ中部のチャドで2024年5月6日、軍政後で初の大統領選挙が行われ、現マハマト・イドリス・デビ暫定大統領が有効票の約6割を得て大勝したと発表された。国家選挙管理庁(ANGE)によると、今回の選挙における投票率は有権者数820万2,207人の75.89%(622万4,387票)に達し、このうちデビ暫定大統領が378万4,360票(得票率61.03%)、対立候補のスュクセ・マスラ現首相が114万9,199票(18.53%)、アルベール・パヒミ野党・RNDT党首が104万8,506票(16.91%)をそれぞれ獲得したとしている。

チャドでは2021年4月、30年以上にわたり権力を握ってきたイドリス・デビ前大統領が反政府武装勢力との戦闘に巻き込まれて死亡したため、息子のマハマト・デビ将軍が国軍の支持のもと暫定軍事評議会を設置して権力を掌握した(2021年4月21日記事参照)。同評議会は当初、18カ月以内の大統領選挙を約束したが、期限とされる2022年10月に、2024年までの再延期を発表したことから、国内で死者を伴う大規模な抗議デモが発生した。当時、軍部による政権掌握を「事実上のクーデター」として激しく糾弾したマスラ氏は一時、国外潜伏を余儀なくされたが、その後、軍政権と和解し、2024年1月1日に、デビ暫定大統領のもとで首相に任命されていた。

今回の大統領選では、政府の治安部隊が最大野党(PSF)本部を攻撃し、デビ暫定大統領のいとこで有力な対抗馬であったヤヤ・ディロPSF党首を殺害している。また、デビ暫定大統領のおじで、ディロ氏を支持していたサレ・デビ氏も逮捕・拘束されるなど、大統領一族の中での抗争があった。さらに、憲法評議会が不正行為を理由に複数の対立候補者を意図的に除外したと反対派から批判されたほか、政府がEUの資金援助を受けた約3,000人の選挙監視員の関与を許可しなかったなど、選挙の公平性や透明性に多くの疑問が呈されている。

こうした中でデビ暫定大統領は、ANGEの選挙結果発表を受けて、すでに決選投票を必要としない過半数の支持を得たものとして勝利宣言を行う一方、マスラ首相もフェイスブック上で勝利宣言を行うとともに、憲法評議会に対して選挙の不正を示す証拠ビデオを提出して、選挙の無効を訴えていたが、憲法評議会は5月16日、提出された証拠資料が選挙結果に影響を与えた可能性は低いとして、今回の選挙結果を確定すると発表した。

(水野大輔)

(チャド)

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