海外との直行便が増加、観光など経済効果に期待(カンボジア)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月5日 0時5分
カンボジアが国際航空網の拡大に向けて動き出している。2024年には複数の直行便が新たに運航および再開する予定だ。直行便の開設は、カンボジアの経済成長を支える重要産業の1つである観光産業(注)に利益をもたらすほか、貿易・投資の拡大にも期待が高まる。アジア開発銀行(ADB、2023年4月現在)は、2024年の経済成長率を前年比6.8%と見込んでおり、こうした高い経済成長率を追い風としたい考えだ。
カンボジア・アンコール航空は6月16日、首都プノンペンとインドのニューデリー間の直行便を就航する。インドのインディゴ航空は、カンボジア政府当局からニューデリーとアンコール遺跡があるシェムリアップを結ぶフライトの運航認可を得たとの情報も報道されている(クメールタイムズ3月25日)。また、エミレーツ航空は、シンガポール経由のプノンペンとアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ間の路線を5月1日から再開する。航空輸送は旅客と貨物の両方が対象で、1月31日に発効したアラブ首長国連邦・カンボジア包括的経済連携協定による貨物量増加が期待されている。加えて、オーストラリアとの直行便も、3月初旬のフン・マネット首相の同国訪問時に署名された両国間の航空協定に基づき、間もなく就航するとされている(国営ラジオ3月13日)。
2023年の海外からの観光客は545万3,231人で、ピーク時の2019年の661万592人に比べて低水準にとどまっている。中国人観光客の減少が主たる要因だ。中国人観光客は2019年には236万1,849人で国別では最多だったが、2023年にはわずか54万7,798人となった。カンボジアは中国以外からの観光客の拡大や、貿易、投資の増加にも期待しており、日本に対しては新型コロナ禍以降、運休が続いている成田とプノンペン間の直行便の復活を望んでいる。
(注)観光業のほか、商業(衣料品と履物の輸出)、農業、建設業。
(ニティー・ヘン)
(カンボジア)
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