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中銀、2024年の経済成長率を3.0%と予想(スリランカ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月9日 0時5分

スリランカ中央銀行(CBSL)は4月25日、2023年の年次経済報告書を発表した。同報告書は、政府やCBSLの主導する政策や構造改革により、マクロ経済の安定性を大幅に取り戻したことで、1948年の独立後最悪の景気後退となった2022年の経済危機から徐々に回復しているとした。消費者物価指数に基づくインフレ率が2023年末には1桁台に落ち着いたほか、実質GDP成長率が2023年後半にはプラスに転じ、景気後退に終止符を打った。景気悪化の要因となった長期的な財政や経常収支の赤字にも是正の兆しが見られ、2023年の基礎的財政収支(プライマリーバランス)と経常収支は黒字に転じた。

対外経済に関しては、海外出稼ぎ労働者の郷里送金や観光業などのサービス産業復興による外貨流入、輸入需要の抑制で外貨不足から立ち直りつつあり、通貨スリランカ・ルピーがドルに対して増価した。政府の対外債務再編が完了すれば、国全体の持続的な回復につながると見込まれる。また、国内金融市場では、政府が抱える国内債権者への債務最適化を成功裏に完了するとともに、2023年6月以降は金融引き締め政策の緩和により、金利の低下や市場センチメントの改善に至った。

今後の経済見通しについては、IMFによる金融支援プログラムで規定された構造改革の継続により、2023年後半以降の景気回復が2024年も続くと予測し、2024年の実質GDP成長率を3.0%、インフレ率を5.0%と見込んでいる。あらゆる産業で広範な景気回復が見込まれるとともに、物価や対外経済の安定も維持されると予想している。他方で、スリランカ経済の回復はこれまでに実施されてきた改革の継続次第であり、IMFによる金融支援プログラムの継続的な遂行や対外債務再編の完了が重要と強調、経済改革への政治的・社会的合意を求めた。

(大井裕貴)

(スリランカ)

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