労働移民に関する報告書発表、非熟練労働移民のビザ要件の厳格化を提案(スウェーデン)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年2月27日 0時40分
スウェーデン政府から委託を受けた特別調査官は2月15日、「労働移民等に関する報告書」を作成し政府に提出した。同報告書では、高技能の労働移民受け入れを促進すると同時に、非熟練の労働移民に対する条件を厳格化することを目的とした多くの提案が含まれる。2025年6月1日の施行が提案されている。
非熟練労働移民ビザの厳格化に向けた主な提案は次のとおり。
労働許可申請のための月給要件を厳格化:現行の規定では、労働許可証を申請する個人は、スウェーデンの賃金中央値の80%(2022年は2万7,360スウェーデン・クローナ(約41万円、SEK、1SEK=約15円))以上が月給要件となっている。同報告書では、この水準を引き上げ、スウェーデンの賃金中央値(2022年は3万4,200SEK)とすることを提案している。なお、特定の職業に対する例外を設ける可能性もあるとされ、ベリー摘みなどの職業が最初の例外候補として挙げられている。
トラックチェンジ(亡命申請が却下された後に、スウェーデン国内で就労のための滞在許可と就労許可を申請することを可能とする制度)の廃止。
有効期間が1年未満の労働許可証を付与された外国人に対し、健康保険への加入を義務付け。
当該外国人の雇用が終了、または雇用されなかった場合の、雇用主による通知義務を導入。
今回の報告書には非熟練労働移民の規制を厳しくする一方で、高度技能労働移民の受け入れを促進するための提案も含まれており、EU指令に沿い導入されている、大学卒業者の欧州労働市場参入を容易化するEUブルーカードの有効期間を現行の2年から4年へと延長することが提案されている。また2024年1月29日から、労働許可申請書の審査方法が改定され、高技能労働者の採用を促進している。改定後は職業と業種に基づいて選別し審査を行うことで、高度な技能を持つ労働者の申請を優先し、30日以内に処理するプロセスへと変更している(2023年5月23日記事参照)。
(松丸晴香、篠崎美佐)
(スウェーデン)
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