カンボジアの自動車産業、車両組立工場の設立が増加(カンボジア)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月2日 0時20分
カンボジアでは、バイクやトゥクトゥク(三輪タクシー)、公共バスが主な移動手段となっているが、ここ数年、さまざまな海外ブランドの参入により、自動車(四輪車)の登録数も着実に増えてきている。
2021年以降、カンボジアではノックダウン形式での自動車組立事業が増加している。完成車(CBU)を輸入するよりも、自動車部品から輸入して組み立てることで、関税や特別税を低く抑えられることが背景にある。加えて、カンボジア政府は投資法やその運用細則(2023年10月19日記事参照)で優遇措置を設けており、自動車組立工場設立の機運を後押ししている。
カンボジア自動車産業連盟によると、すでに認可を受けた自動車(四輪車)組立工場のプロジェクトは9件ある。そのうち5件が操業中だ。残り4件は建設中で、間もなくオープンする予定だという。例えば、フォードや三菱ふそうトラック・バスなどの正規代理店として自動車販売事業を展開している地場企業RMAは、2021年にRMAオートモーティブ・カンボジア(RMAAC)を設立し、2022年にフォードのレンジャー(ピックアップトラック)とエベレスト(SUV、スポーツ用多目的車)の製造を開始した。RMAのノーン・サン最高経営責任者(CEO)によると、同社は現時点で年間約4,000台を製造しており、過去5年間において、フォードはカンボジアの新車市場(輸入車を含む)で販売台数首位を記録しているという。
日本の自動車ブランドでは、いすゞ自動車とトヨタ自動車がカンボジアで生産を進めている。いすゞは、同社自動車を輸入販売する地場企業Kカンボジアの下で組立工場を設立し、2023年3月から稼働している。トヨタは、豊田通商がプノンペンに組立工場を建設中で、2024年5月の開業を予定している。
一方、電気自動車(EV)の組立工場については、2022年に韓国系シンガポール企業MVLの子会社であるオニオン・モビリティが電動バイクと電動トゥクトゥク(三輪車)の組立工場をオープンした(2022年6月3日記事参照)。それ以外に目立った投資は見られないが、テスラ(米国)、ビンファスト(ベトナム)、BYD(中国)などのEVブランドはすでにカンボジア市場での販売を開始している。2023年には、604台のEVが新たに国内で登録された。
なお、カンボジアはカーボンニュートラルの長期戦略の中で、2050年までにバイクの70%、自動車の40%の電動化を目指している。
(ニティー・ヘン)
(カンボジア)
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