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話題の「1日1食」がもたらす効果とリスク

JIJICO / 2015年5月28日 18時0分

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話題の「1日1食」がもたらす効果とリスク

1日1食がダイエットにつながる仕組み

「1日1食」が体にも良いといわれて、一般の人にもずいぶんと浸透してきたように思います。

まず、3回の食事に比べてカロリーの摂取量が減ることで、余計な脂肪を増やさないという効果があります。次に、1日1食しか食べないということは、空腹の時間が長くなる、ということです。小腸に食べ物が入ってこない時間が長くなると「モチリン」というホルモンが小腸から分泌されます。

このホルモンは、胃の蠕動運動を活発にさせ胃に残っている食べ物を腸の方に送り込むように働きます。ところが、胃には何も食べ物がなければ、今度は「グレリン」というホルモンが胃から出て脳から成長ホルモンの分泌を促し、このホルモンが貯蔵している内臓脂肪を燃焼させ、一時的に栄養源とします。

他にも、空腹時間が長くなることで、食べ過ぎを防ぐホルモン「レプチン」も分泌されます。以上のような効果の結果として、ダイエットにつながるわけです。

脳を十分に働かせるためには1日3回の食事が必要

では、この1日1食にリスクはないのでしょうか?もともと、なぜ1日3回食事を摂るのか考えてみましょう。

脳のエネルギー源はブドウ糖ですが、通常はグリコーゲンという形で主に肝臓や筋肉に蓄えられています。しかし、1回の食事量では、せいぜい5~6時間程度しか持たない量しか摂れません。よって、脳を十分に働かせるためには1日3回の食事が必要なのです。

また、1日に必要なビタミンやミネラル、食物繊維は、体に蓄積できないものも多くあり、毎日摂らなければなりません。1日1回の食事では、1日3回摂ることに比べて栄養素も偏りやすく、また、必要量も摂取しにくくなります。

朝食を抜くと、腹時計が狂ってしまって太りやすく

そして、食事回数を減らす時には、まず朝食が抜きやすいと思いますが、朝食抜きは肥満になりやすいこともわかっています。通常、ヒトにはサーカディアンリズムといって、1日24時間の周期が働いており、体の中に生物時計が2つあります。それが、光時計と腹時計です。朝食を摂ることもサーカディアンリズムを整えています。朝食を抜くと、この腹時計が狂ってしまって飢餓状態と感じ、基礎代謝を抑え、脂肪をたくさん作ろうと働いてしまい太りやすくなります。

1日1食は、誰にでも簡単にできるように思ってしまいがちですが、特に高齢者や糖尿病などを患っている人は絶対に自分勝手に始めず、主治医などに相談して判断してください。

(久保 清景/医学博士)

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