世界に羽ばたく きものの魅力とは
JIJICO / 2016年4月7日 15時0分
![写真](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/jijico/jijico_19715_0-small.jpg)
世界に羽ばたく きものの魅力とは
世界が注目するきもの
外国人観光客の増加とともにきものに興味を持つ外国人が増えてきています。
先日、ニューヨークコレクションではきもののファッションショーが行われ、非常に好評だったようです。
世界が注目するきものの魅力について解説していきたいと思います。
きものの歴史
きものの歴史は1300年にもさかのぼり、日本の風土や移り行く四季に育まれ、我国独特の衣類文化として現代まで継承されてきています。
その特徴はというと、一反という12mほどの反物を直線裁ちにカットし、直線縫いで仕立てられますが、仕立てあがっただけではデザインの完成ではなく、身に纏いながらデザインを作り、完成される、いわゆる包みの文化の一つであり、中身に合わせて包み込む、風呂敷にも通じています。
また、身につける方法は戦前まで日本古来から伝わる紐結びの文化で行われ、ファスナーやボタンやホック、ゴムなどは使用されていません。
この結びの文化は、江戸時代までみられるように一日中着けていて苦しくなく楽に日常生活が送れる所以と思われます。
その証拠に日本古来の結びの文化で着付けしている私は、毎日をきもので楽に過ごしています。
さまざまなシーンで活躍するきもの
きものの種類には大きく分けて織りのきものと染めのきものがあります。染めのきものは生糸を反物にしてから色柄を染めたもの。織りのきものは糸を染めてから織って反物にしたものです。
また、用途によってお洒落着と礼装用に分けられ、お洒落着にはゆかたや紬、お召し、小紋など、カジュアル系であり、礼装用には紋付の色無地や付け下げ、訪問着、振袖、留袖などが有ります。現代では式服で使用される礼装用が多いのですが、きものを日常に楽しむお洒落着も増えてきています。
ちなみに、私はほとんどの日常を鹿児島の特産品である大島紬を着用していて、その着ごこちの良さに感じ入っています。
また、ミスとミセスは、きもののそでの長さや帯結びで表現しています。
袖丈の膝丈より長い振袖はミスが着用し、ミセスになると一尺三寸、49cm位になります。
帯は長いもので4mほどの長方形で、きものに結びながらきものを固定し、様々な趣を表現しデザインを作り出しています。
ミスの帯結びは、きものや着る人に合わせて、花やリボンなどに華やかに結ばれ、ミセスの礼装の帯結びは喜びごとが重なるようにと意味を込めて二重太鼓に結ばれます。
きものの着付けはデザインすることと同じ
このように着付けをする事がデザインをすることになり、着付けをする人、着付け師はきもの姿デザイナーといえます。
もちろんこれまでも紋様のデザイナーはきものデザイナーとして位置づけされていますが、着付け師であり、スタイリストであるきもの姿デザイナーこそ、必要不可欠と思われます。
それは単なる着付けができるだけでなく、きものや帯小物類のコーディネートなども含めて、着る人が素敵になるような着付けや帯結びなどトータルで提案できる事こそきもの姿デザイナーといえるでしょう。
そして、ただ単にきものを着ていることから、どんなドレスにも引けをとらないきもの姿が出来上がることでしょう。
きものは世界一、ヒトや地球にやさしい民族衣装
高温多湿の日本には長い時代、麻や木綿、絹など天然繊維で作られたきものが着用されてきました。
直線裁ちのきものは何回も解いては洗い、又仕立て直し、最後は赤ちゃんのオムツになるまで繰り返し使用されてきました。世界一、ヒトや地球に優しい民族衣装といえます。
きものが海外で人気なわけ
現在、いま、なぜ海外の方々にきものが人気なのでしょうか?
それは明らかに洋服とは根本的に異なる形や、日本の美意識がなせる業かもしれません。世界中の女性たちの憧れにつながっています。
いま日本の観光地ではきものの人気に合わせて、ただ単にきものの形のみに焦点をあて、素材は機能性を優先した化学繊維のきものを提供しています。
海外の女性たちはただ、きものというだけで喜び試着されています。
しかしながら、きもの本来の美しさは形のみでなく、我国ならではの四季に育まれた天然素材や和柄紋様、着付け方、帯結び方などをふまえた、きもの姿デザイナーが手がけたきもの姿にこそあり、それらを伝えていくことにより、もっと本物のきものの良さが伝わっていくのではないでしょうか?。
4年後に控えたオリンピックを前に日本の本物の美しさや心地よさを伝えていくことが出来れば、きっときもの文化の世界観も広がっていくでしょう。
世界一ヒトや地球に優しい民族衣装であるきもの文化、日本の美、包みや結びの文化と共に世界中に発信する機会として本物を伝える努力をして行きたいものです。
(藤田 惠子/ブライダルサービス)
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