違法駐車13回で逮捕の“ジャガーの女”、生活困窮もウナギ好き「仕方ないでしょ」の身勝手素顔
週刊女性PRIME / 2024年4月16日 6時0分
「向こうの駐車場で杖をついたおばあさんが警察官4、5人から“ここですか?”などと地面を指差して尋ねられていました。ひったくりにでも遭ったのかなと思ったら、数日後、そのおばあさんが逮捕されたんです」(近所の男性)
警視庁駐車対策課が4月3日、道路交通法違反(無免許・使用制限命令違反)などの疑いで逮捕した東京都練馬区練馬の無職・初山貴子容疑者(77)のことだ。
「仕方ないでしょ」
「都内で2022年5月~12月に違法駐車を13回繰り返し、都公安委員会から今年9月まで計340日間の使用禁止を命じられた乗用車を4月1日に運転した疑いが持たれている。昨年5月に運転免許証を更新せず失効していたため無免許運転でもあった」(全国紙社会部記者)
悪質なのは自宅近くの他人の月極駐車場や路上に無断駐車を繰り返していたこと。
「生活苦から契約していた駐車場は解約し、違法駐車がバレたりバレそうになるたび別の場所に車を動かしてまた違法駐車する悪質さ。利用者側から通報が多数寄せられる中、被害に遭った駐車場の管理人が“違法駐車されている”と通報したのが逮捕のきっかけとなった」(同・記者)
冒頭の目撃証言は、違法駐車していた場所の確認とみられる。初山容疑者は警察の取り調べに対し、「間違いありません」と容疑を認めているというが、警察に連行される際は「車の置き場所がないから仕方がないでしょ」と悪びれる様子がなかったという。
傍若無人なこの高齢ドライバーの愛車は濃い緑色の高級外国産車ジャガーだった。自宅近くの契約していない駐車場にちょこちょこ停めていたほか、荒っぽい運転が目立ち、一部の近隣住民から“ジャガーの女”と呼ばれていた。
「近くの駐車場でジャガーが停まっているのをよく見かけた。コインパーキングもよく利用していて、数か月駐車しっぱなしだったときの精算料金は50万円を超えていたらしいよ」(駐車場近くの住民)
契約当事者にしてみれば、駐車場に停めようとすると他人の車が停まっているわけだから腹立たしかったろう。目撃情報をつなぎ合わせると、近隣の複数の駐車場を“回遊”して犯行がバレないようにしていた可能性がある。
ある駐車場の管理会社の担当者は、
「うちは2022年9月から10回ほど無断駐車されました。どのように見抜くのかわかりませんが、未契約の駐車スペースを選んで停めたりするので囲いを設置して防いだんです。利用者は車を出すとき、三角コーンを置くようになりました。ジャガーの運転者が特定できたので、本人に“困るんです。無断駐車しないでください”と伝えると、“なんで? じゃあ貸して”と反省するそぶりはありませんでした」
と振り返る。
目撃者によると、駐車の仕方も乱暴で2台分のスペースをまたいで停めることがあった。三角コーンをなぎ倒して車を出した疑いもある。周囲の話ではモタモタするのが好きではなく、自ら「ハンドルを握ると人が変わるのよ」と吹聴するほど。禁止場所でも平気でUターンするなど遵法意識は希薄で、接触事故を起こした際は相手を気遣わず、「ジャガーを修理に出すのが恥ずかしい」と困った表情を見せたという。
「自分は頻繁に路上駐車しているくせに、他人が路肩に停車していて邪魔に感じると“ブーブー”とクラクションを鳴らした。よくよく見ると、すれ違うスペースは十分あるんだけど、車体が大きいし運転も上手とはいえないから」(前出・駐車場近くの住民)
自宅は築約50年の一戸建て。町内会には入らず、ゴミ出しのルールを守らなかった。
「今日はゴミの日じゃありませんよと注意したら、“あら、ここはいつでも出せるんじゃなかったかしら”と言い返された。毎日収集なんてあるはずがない」(近所の住民)
「タンス預金5000万円を盗まれた」
容疑者本人が知人らに話したところによると、北海道美唄市の出身。両親と姉はすでに他界しており、親族は疎遠な姪が1人いるだけ。最初に結婚した夫とは死別し、数年前まで事実婚の男性がいた。生活費の面倒を見ていたほか、車で病院に送迎する姿が何度も目撃されていた。事実婚を解消して以降、「私は天涯孤独なの」と知人にこぼしていたという。
同居していた20代女性に話を聞くことができた。飲食店で相席したのをきっかけに部屋が余っているからと誘われたという。
「生活費に困っていたのは事実です。お金やいろいろな面でルーズで、私も100万円貸して1円も返ってきていませんし、別の人からも100万円借りています。返済期限がくると先延ばしするんです。その割には外食が多く、池袋のデパートでウナギを食べるなど贅沢してしまう。昔は出版社を経営していて栃木県那須塩原市に別荘を持っているのでそこに移住するといい、自宅を4000万円で売却して借金を返してくれるはずでした。ところが、評価額が200万円だったと言ってこれでは売れないと。どこまで本当の話かわかりませんが」(同居女性、以下同)
自宅は今年1月中旬、練馬都税事務所に滞納処分で差し押さえられている。その一方、パリで2年間生活していたらしく、実際、フランス語が堪能だった。
「彼女は一昨年、パリ旅行に出かけています。留守中、空き巣に入られ、タンス預金5000万円を盗まれたと話していました。見栄っ張りな面がありますが、最近では生活保護を受けるため区役所に何度も足を運び、いつも何かが足りなくて突き返されていたんです。周囲は“ジャガーを売ったらどうか”と何度もアドバイスしました」
車には維持費がかかり、駐車場を借りる資金もないのだから売却してもよさそうだが、「私が稼いでいたころ、気に入って買った愛車だから」と応じなかったという。
「車は好きみたいですが、洗車はしませんでした。彼女は片づけが苦手なんです。掃除をしないので家は散らかっていますし、洋服にシミとかがついている。汚れがひどくなるとたまに手洗いするんです。テレビも壊れていて見ることができません。“自宅の風呂には一度も入ったことがない”と言い、わざわざスーパー銭湯に出かけてサウナに入っていました。サウナが好きらしいです」
車がなくてもサウナには行ける。乱暴な運転で誰かをケガさせる前に捕まってよかったのかもしれない。
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