旧大口病院事件 犯行当時の診断難しく 一審精神鑑定医・岩波明氏に聞く
カナロコ by 神奈川新聞 / 2023年12月10日 5時40分
15日に控訴審初公判が開かれる「旧大口病院点滴連続殺人事件」。争点は量刑で、特に精神鑑定をどう評価するかが判決を左右することになりそうだ。横浜地裁の公判では、裁判所から委託を受けた精神科医の岩波明・昭和大付属烏山病院病院長(同大医学部教授)が起訴後に約3カ月間、久保木愛弓被告(36)の精神鑑定を行った。当時の鑑定や、刑事司法における精神鑑定の課題について聞いた。
─2019年8月から11月まで久保木被告の精神鑑定を行った。
「事件当時からおよそ3年が経過し、状況はずいぶんと変化していた。(久保木被告は)19年9月ごろには便器に雑誌を詰め込んで水浸しにしたり、翌10月には『複数の看護師が私の方を見て笑っている』とか『死ねなどと悪口を言っているのが聞こえる』などと言っていたりした」
「幻聴や幻覚の症状を訴えるようになり、部屋の入り口にマットレスなどでバリケードを張って『誰も入ってくるな』と言ったり、毒が入っていると思い込んだせいか、拒食して体重が減ったりもした。廊下に向かって『助けてくれ、警察を呼んでくれ』などと言ったりもした」
「症状を抑えるために投薬すると落ち着くようになり、投薬をやめると症状が激しくなった。精神鑑定した時点では統合失調症を発症していたと言っていい」
─では、犯行当時はどうか。
「こうした状況を踏まえ、統合失調症の前駆症状の可能性があると診断した。非常に難しいケースだった。犯行時の発症の有無は断定できない」
─控訴審はどうなるとみるか。
「その後、4年余り経過している。改めて精神鑑定を実施しているか分からないが、複数の鑑定結果が審理されることになるのではないか」
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン / 2024年4月27日 16時15分
-
傷害致死事件の“やり直し裁判”で無罪判決から一転 懲役6年の判決に… 新潟地裁は事件をどう判断したのか
BSN新潟放送 / 2024年4月27日 8時12分
-
「心から申し訳ないと思っている」初めて反省の意 ナイフで複数回刺す 夫婦殺傷事件の控訴審
STVニュース北海道 / 2024年4月25日 18時11分
-
元プラスマイナス岩橋も公表…強迫性障害を抱える漫画家(38歳)が明かす壮絶な体験「まさに生き地獄」
日刊SPA! / 2024年4月10日 15時50分
ランキング
-
1同僚女性遺体遺棄容疑の男、寝袋のようなものに入れて7〜8m下の沢に落としたか…女性はつきまとい被害を職場に訴え
読売新聞 / 2024年5月3日 21時25分
-
2《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン / 2024年5月3日 18時30分
-
3【速報】「脱炭素」実現に向け連携確認 日・ブラジル首脳会談
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月4日 0時49分
-
4自民党、パー券公開基準引き下げで調整へ
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月3日 22時53分
-
5幻の魚イトウの聖域に風力発電 原発相当計画に「最大級」の懸念
毎日新聞 / 2024年5月4日 6時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください