餃子の王将事件の闇を知る人物に接触「反社勢力に乗り込まれる寸前だった」
TABLO / 2014年1月24日 16時0分
この取材は「餃子の王将」社長の射殺事件が起こった翌々日に取材した事をお断りしておく。取材の後に、相手は「情報をネットに拡散させる」と言った。何か恨みがあるのか、の問いに「何も無い、ただ今回の事件の暗部を教えたいだけだ」とのみ言った――。
凶行から一カ月が経つが、その後事件は進展していない。本誌が12月22日既報の通り、12月19日に大東隆行社長が何者かに射殺された。犯人は今もって逃走している。犯行に使われた拳銃は25口径であり、海外などでは護身用として知られている。日本に主に裏市場に出回っている拳銃は38口径の拳銃だが、携行の便利さから25口径も流通している。暴力団の関係先から押収された例も少なくない。警察官などが携行している拳銃は38口径である。取材した内容はこうだ。氏素性は一切明かせない。
――餃子の王将について何か知ってるとか?
「色々問題がある、一般的には出ていないが」
――どんな事を知ってるのか?
「創業した社長の息子と今回射殺された大東氏氏は入社時期が同じなんだ。そして、二代目社長として社長の息子が就任した時に、大東氏は実務を切り盛りしていた。その後有名な戎橋事件が起こったんだ」
戎橋事件とは1989年2月に大阪市中央区「餃子の王将」戎橋店の調理場で火災が起こり、当店舗が入るビルの所有者が焼死した痛ましい事件である。
――それがどうしたのか?
「この事後処理をある企業に依頼した。解決金は1億と聞いている。そしてそのビルを8億だか9億で買い取った。その後に九州のゴルフ場運営会社に約90億融資したんだ。担保は取ったが、バブル時の典型的な建物で担保割れの物件だ」
――別に問題はありますか?
「九州のゴルフ場運営会社と後処理を頼んだ企業は同じ経営者で、住専から多額の金を借りてたある意味凄腕の企業だ。それを問題にしてたのは今回殺された大東氏だよ」
――それは前社長の時ですよね?
「前社長は色々な問題があって退任したんだ。未練たらたらね。大東氏は株式も『王将』の株も殆ど持ってない一時的な社長就任の予定だったのだが、業績を回復どころか人望、能力、実行力など人間的な魅力に長けており、前社長が復帰するどころか、相談役に追い込まれたんだよ」
――それが事件の背景にある?
「前社長は実権を取り戻す為に、色々画策して取締役に復帰出来た。それは殺された大東氏も権力争いは反社会的勢力に乗り込まれる可能性があると妥協した、と聞いている」
――それが事件につながる?
「それは判断してよ。だけど上場企業としての責任を認識した大東氏とオーナー企業としか考えられなかった前社長の争いはあっただろうね」
今回の事件には深い謎が多い。創業者三代目の失踪事件もある。2013年6月には「ブラック企業大賞」に『餃子の王将』がノミネートされてもいるのも気になる。事件の一刻も早い解決を祈るばかりである。
Written by 西郷正興
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