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従軍慰安婦・河野談話検証チームが狙う「韓国からの外電」

TABLO / 2014年3月2日 9時0分

従軍慰安婦・河野談話検証チームが狙う「韓国からの外電」

 慰安婦問題について、日本の反撃が始まろうとしている。まずは2月20日の衆院予算委員会。石原信雄元内閣官房副長官が歴史の証言台に立った。日本維新の会の山田宏衆院議員が招致した。

 1987年から1995年まで、事務方のトップとして官邸を取り仕切った石原氏は、93年に作られた河野談話についても内情を知る立場にあった。実際に石原氏は、河野談話の根拠になった16名の慰安婦の証言に裏付け調査が行われなかったことを証言した。これについては当時、自民党議員の秘書として官邸に出入りしていた知人から、興味深い話を聞いたことがある。

「いろいろ調べてみようとしたが、どうしても慰安婦の証言の裏がとれない。政務の官房副長官だった近藤元次氏らは頭を抱えていた。だが韓国は『認めてくれたら、後は何も言わない』とせっついてきた。結局、『やむをえない』ということで決断し、河野談話の形になった」

 要するに「見切り発車」だったわけで、石原氏の証言の内容と一致する。そしてその後の日本は無残なまでに韓国にしてやられる。衆院予算委員会で石原氏は「日本の善意が生かされていない」と述べているが、これは誠意をもって尽力したにもかかわらず、韓国が日本を裏切ったことに対する精一杯の抗議の言葉といえるだろう。石原氏が証言したことにより、河野談話の問題が慰安婦の証言以外にもあることが明らかになった。まずは「韓国とのすりあわせ」が行われたことだ。

 これについては韓国からの外電を明らかにするとともに、外務省出身で当時は外政審議官の任にあった谷野作太郎氏が証言する必要がある。韓国からの外電については、山田氏が「あると聞いている」と断言した。菅義偉官房長官は政府内に検証チームを結成することを表明したが、その作業に当然これも含まれる。外務省は「外交問題であるから」という理由で拒むことはできない。

 そして最後はどういう経緯で談話の文言になったかという点だ。それには名義人である河野洋平氏から直接話を聞くことが必要になる。しかし自民党は2月10日の衆院予算委員会理事会で、日本維新の会が求めた河野氏招致を拒否した。党の総裁を務めた人物を国会で晒しものにしたくないというのがその理由だろう。

 だが世論はそれを許さない。それは政治家を動かす力がある。24日の衆院予算委員会の後、安倍晋三首相が山田氏にこう声をかけた。

「山田さん、知ってる?FNNの世論調査で、河野談話を検証すべきという意見が約6割に達している。山田さんが質問した成果だよ」

 自民党内でも河野氏に公的な場で証言してほしいという声が出ている。ただし野党に上げ足をとられないように、予算が成立するまでは静かにしておきたいというのが本音だ。

 菅義偉官房長官は28日午後の会見で、検討チームが河野氏から事情聴取するかどうかについて、「取り扱いを検討する」と述べて喚問の可能性を否定しなかった。歴史は遠い将来の歴史家にのみ判断させるものではない。体験者が事実を明らかにすることこそ、歴史に必要なことではないだろうか。

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Written by 安積明子

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