【未解決事件の闇4】北朝鮮へ自ら渡航説!? 失踪した女性編集者の気になる行動
TABLO / 2014年9月16日 16時0分
▲北朝鮮に拉致された? 特定失踪者に指定された辻出さん。
特集ルポ:未解決事件の闇3 ~伊勢・女性編集者失踪事件
特定失踪者として認定され、北朝鮮からの帰国が期待される人物は日本各地にいる。このシリーズで追っている辻出紀子さんもその一人である。
7月初旬、「生存者リスト」の存在を日経がスクープした直後、三重県津市郊外にある彼女の実家にはたくさんの記者が詰めかけた。ところが、彼女の母親である辻出美千代さんは、取材を拒否したという。
「拉致の可能性はないんでね、記者の皆さんにはお帰りいただいたんです」
美千代さんは今も、Uによる犯行説(1、2回参照のこと)を信じているからだ。
Uは辻出さんが雑誌の「伊勢志摩」で取材した県南部に住む男である。彼がずっと黙秘し、行方不明になった様子を語らないことを美千代さんは16年経った今も不審に思っている。
北朝鮮に拉致されたという説はどのようにして出てきたのか。特定失踪者問題調査会の関係者であるM氏は言う。
「失踪前、辻出さんは『北挑戦、もとい北朝鮮に行きたい』とメーリングリストに書いているんです。行って「よど号ハイジャック犯にインタビューしたい」と」
M氏は続ける。
「日本近海には北朝鮮の船がいるんです。岸から小船でその船に渡って、北へ到着。実際によど号グループに会い、インタビューに成功しました。しかしそれからいなくなったようです」
話からすると、拉致ではなく自ら望んでいったということになる。
辻出さんがいなくなったのは1998年11月24日である。前日まで5日ほどかけてタイとミャンマーの境にある難民キャンプを彼女は訪ねていた。帰国した翌日の24日は朝から勤め先である出版社に出勤し、残業をこなしている。普通の感覚の持ち主なら、外国から帰国した翌日にわざわざ、誰にも告げずに北へ向かうだろうか。
「北からの船はそのタイミングで太平洋の伊勢近海を通る。そのことを彼女は知っていたんです。彼女が北へ行くチャンスはそこしかなかった。だから彼女は自ら北へ行ったんです」
M氏は力強く断言した。
Written phone by 西牟田靖
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