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「児童ポルノ」でAmazon家宅捜索...次に狙われる大本命とは?

TABLO / 2015年2月2日 17時0分

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 amazonに出品された商品(マーケットプレイス) が児童ポルノだとして、出品者の古書店(約10業者)が児童ポルノ販売の疑いで摘発。そしてそれを放置(=手助け)したとしてアマゾンジャパンが幇助の疑いで家宅捜索を受けた。 さて、この一件はどうにも警察の動きが薄気味悪い。

 amazonに児童ポルノの疑いのある商品が出品されているという指摘や販売の取り止めを求める声は、"ナニがアレな団体さん" を中心として2009年頃からあったという。だが警察は今の今まで動かず、ここに来て突然こうまで強引な摘発を行った。09年頃に比べれば、児童ポルノに対する風当たりが強まり、様々な通販サイトが規約や方針を改めたので、今の方が危ない商品は減っているにもかかわらずだ。警察発表では昨年の夏頃から児童ポルノが販売されている事を確認していたというから、ならば児童ポルノ法が改正されたタイミングで動いていてもおかしくなかったのではないだろうか?

●警察が狙っていたのはAmazonが持つ「顧客リスト」か?

 警察が動いた理由として唯一考えられるとすれば、児童ポルノ法の単純所持の猶予期限があと半年足らずで切れるという点だろう。改正され、単純所持も違法となった児童ポルノ法が施行されたのが14年の7月。そこから1年間は自発的に児童ポルノを破棄するためとして猶予が設けられた。であるから、15年の7月からは児童ポルノと看做される何かを所持している事が解れば処罰される。こういうケースで警察がまず最初に行うのは "みせしめ" によるアピールだ。15年の7月に入ると同時に各地で児ポ狩りを行い、逮捕者が続出し、それをマスコミが連日のように伝える。 ここまでがすでに予定された1セットなのだろう。今回の摘発騒動は、それを見越した仕込みなのではないかと推測する。

 どういう事かもう少し詳しく説明する。今回の古書店の摘発とアマゾンジャパンへの家宅捜索で、警察が最も欲しかったのは「児童ポルノを販売していた証拠」などではなく 、押収されたとされる資料の中に含まれているであろう「顧客リスト」だと思われる。いくら児ポの猶予期間が終わったからといって、道行く人をとっ捕まえてノートPCの中身を確認したり、マンションを1軒1軒訪問販売のように回って児ポ狩りを行う訳にはいくまい。それもやろうと思えば可能な危なすぎる法律ではあるのだが、さすがにそんな秘密警察のような動きを見せればいくら警察様といえどもただでは済むまい。であるから、「コイツは児ポを持っている! ロリコンだ! 性犯罪者だ!」と、世論が同情しないような人間を狙い打つ必要がある。そこで必要になるのが「児童ポルノ愛好家である」という動かぬ証拠であり、その目安になるのが通販サイトなどでの購入履歴なのである。

 警察の本命はamazonではなく、amazonやそれを利用する古書店が持つ顧客リストであると仮定するならば、今後も同様の摘発が行われる可能性が非常に高い。そしてそこで応酬したリストを元にしての児ポ狩りが今年の夏頃から始まるだろう。しかしこれには大きな問題が潜んでいる。それこそ児ポ改正反対派が何度も何度も口を酸っぱくして言い続けていた欠陥なのだが、残念ながらそれは改められる事なく法改正が強行されてしまった。

 さて、今年7月になると児童ポルノを所持している人間は犯罪者として扱われる事になる。では皆さんにお聞きするが、何が児童ポルノにあたるのだろう。もっと言えば、今回の件で児童ポルノと看做された商品とはどのような物なのだろう。さすがにamazonほどの企業になれば、少女のヌード写真などが出品されていれば警察よりも早く販売ページを削除するといった対応をするだろう。amazonが警察に踏み込まれるまでそれをしなかったという事は、判断の難しいグレーな商品(おそらく水着程度)だったと考えるよりない。 一説によるとジュニアアイドルのイメージビデオや写真集だろうと言われているが、ではそうした商品のどこまでがセーフでどこからがアウトか、具体的かつ正確に線引きできる方はおられるだろうか。

 おそらくそれを正確に言える人間など警察にもおるまい。 どうしてなのかは児ポ法の文面を見ていただくのが一番だと思われるが、何を指す言葉なのか解らないモヤモヤした言い回ししかされておらず、警察の気分次第で適当に児ポ認定されてしまうような内容なのだ。それを後付けで違法と取り締まれるようになるのだから、世の人々の大多数が摘発の対象とされておかしくない。ちなみに児ポ法は少女だけを対象としている訳ではないので、未成年のジャニーズアイドルのコンテンツなども当然のように児童ポルノとされる。

 今回は猶予期間中なので販売やその幇助をした企業がヤラれただけだが、逆を言えば猶予期間が終わると同時に「今回摘発された企業・古書店が販売していた児童ポルノを購入した人間には絶対に警察から連絡が行く」だろう。しかし何が児童ポルノなのか、現時点では全く解らない。警察が訪ねて来た時点で初めてアウトだと解る仕様である。

 警察が今やるべきは、今回児童ポルノと看做した商品のタイトルをすべて明らかにし、作品内容のどの部分がどう児ポ法に引っ掛かったのか解説する事だろう。何をどうしたらダメという具体的な説明が皆無なのだから、違法と知らずに撮ってしまう&買ってしまう人間が後を絶たなくて当然である。それでは児ポモデルをやらされる子供を減らせず、児ポ法の目的のはずの「子供を守る」事からかけ離れてしまう。であるにもかかわらず説明責任を果たさないというのであれば、警察は根本的な考え方の時点で狂っている。子供を犠牲にし、罰を与えるほどでもない国民の人生を台無してまで、守らねばならないものなどある訳がない。これでは犯罪者にならずに済むはずの人間を犯罪者に仕立て上げようとしているだけで、魔女狩りの時代への逆戻りだ。

 これは「児ポ法改正に反対しているのはロリコンとオタク」と、物事を深く考えずにレッテル貼りだけして "正義オナニー" していた連中の戦果である。今年の7月以降、日本各地で悲劇が巻き起こるだろうから、そのような主張をしていた連中は自分の吐いた言葉に対して責任を取っていただきたい。

※ 余談だが、ネット通販だけが危ない訳ではない事をお忘れなく。 例えば、近頃はファイル共有ソフトユーザーの摘発が目立たなくなっているが、警察がその気になればいくらでも履歴をかき集められる事に変わりはない。「torrentで児ポを違法ダウンロードしてた」なんて人間には、ネット通販以上に世間の同情など集まらないだろうから、まず真っ先にやられるのはそっちという考え方もできる。何にせよ、心当たりのある方は疑わしい動画・画像など今の内に削除しておくしかないだろう。

Written by 荒井禎雄

 Photo by Xubaet

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