準暴力団と名付けられた集団の現在のシノギ ミャンマーに進出する半グレ
TABLO / 2013年11月24日 20時0分
東京オリンピックやリニアモーターカーの開通など大規模な公共工事が予定され、裏社会がにわかに活気付いている。関係者は水面下で利権争いを繰り広げているが、実は目を付けているのはそこだけではない。
東京の繁華街を根城とする、若い世代(といっても30~40代)の不良グループは暴力団関係者と手を組み、海外の貿易に力を入れている。彼らが目を付けたのはアジアの発展途上国「ミャンマー」だ。東南アジアに位置し、かつてはビルマと呼ばれていた日本とのつながりが深い国である。
以前から、ミャンマー絡みでいえば、「日本ミャンマー〇〇協会」など、不良が関係する怪しげな団体はいくつも存在した。筆者も東京・品川にあるミャンマー大使館の集まりに顔を出したことがあるが、そこはまるで暴力団関係者の会合だった。明らかなコワモテから、人脈だけが頼りのイベサー系ブローカーまで、ミャンマーに食い込もうとする連中の怪しさに驚くばかりだった。
では、なぜ、今になってミャンマーなのか? 不良グループで幹部を務める1人が内情を語ってくれた。
「ミャンマーが軍事政権の頃からビジネスしている連中は、やりたい放題にやり過ぎて、向こうでは国からも民間からもかなり嫌われている。でも自分らは若いし、腰が低い。だから向こうも安心して付き合ってくれる。悪い言い方をすれば、舐めてかかるんですよね。初めは自分らが出てミャンマー側を安心させて、最後は本職のヤクザに話を詰めてもらう。これはある意味保険みたいなものです」
――具体的にミャンマーでは何をしているのか。
「貿易、人的な交流です、後は新しいシノギ。シャブを売ったり、売春を仕切るといったこと。ドラッグと性産業は世界中のどこへ行っても不良が仕切っている。だからその分野全般だと思ってください。ミャンマーは民主化が進み、日本人も多く観光で来るようになった。そこで、ミャンマーに在住する日本人の市場だけ俺らがもらうんです。不良のいない途上国なら軍隊がそういう市場を握ってるんですが、ミャンマーは国民も在住する日本人も軍隊や警察に対しての拒否反応は凄い。そこを逆手に取る感じですね」
――人的な交流とは?
「仲間のNPOに話しを持ち込んで、向こうの貧しい人間を日本に短期で仕事させるんです。表向きは職業支援のような形になっている。当然、ピンハネ商売なんですけど。大きなカネになるし、国際貢献だってミャンマー側からは感謝される。自分たちはミャンマーに行くと接待漬けになります」
――東南アジアでよく聞くリゾート開発や大規模な飲食店ビジネスは絡まないのか。
「そんなのほとんど詐欺話じゃないですか。頭の弱い不良が手を出すのがリゾート開発とか飲食店でしょ。誰かに出資させてどうこうするビジネスってもう流行らないんですよね。とにかくカネになるまで時間がかかり過ぎる。もちろん、こっち(ミャンマー)にもそういう連中は腐るほどいますけど、みんな同じこと言っています。『数年後には大儲けできる』って。俺たちは1か月後にはカネにしてますんで、そういう奴らは相手にしていません」
――一般企業は新たな利権を手に入れようとしますよね。大手商社も含めて。それはどうなんですか?
「自分らはそこまでの器も無いし、資金力も含めて太刀打ちなんか出来ません。そんな事には手を出す訳無いじゃないですか」
――うまく行ってるの?
「今、話した新しいシノギはボチボチです。まだ観光客もそんなに増えてないですから。だけど数年後にはかなりおいしいシノギになると思います」
彼らは自分たちが反社会的な勢力と理解している。変な名誉欲は全く無い、ただ金になればいいのだ。そこが強さの根源でもある。
Written by 西郷正興
Photo by Tiagø Ribeiro
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