なぜ「ハザードスイッチの位置」みんな違う!? 「バラバラ設置」も近年は「統一」傾向? 流れを生んだ「最新装備」とは
くるまのニュース / 2023年6月13日 11時10分
レンタカーなど普段と違うクルマに乗った時、地味に戸惑うのが「ハザードランプ」のスイッチ位置かもしれません。統一されることはないのでしょうか。
■車内レイアウト決定に際し常に発生していた「ポジション争い」とは
クルマによって配置されている位置がバラバラな「ハザードランプ(非常点滅表示灯)」のスイッチ。
非常に重要なスイッチのはずなのに、なぜ位置が統一されないのでしょうか。
カーシェアなどが普及してきていることで、さまざまな車種のクルマを運転する機会があるという人も多いでしょう。
ただ初めて乗るクルマだと、まずはスタートスイッチを探してしまいますし、シフトの操作方法やその他のスイッチの位置が違い、戸惑ってしまうこともしばしばです。
せめて、緊急時やクルマを停めたときに操作することがあるハザードランプのスイッチ(ハザードスイッチ)は、位置を統一して欲しいものですが、意外とメーカーや車種ごとにバラバラだったりします。
シフトレバーやウインカー、ワイパー、ヘッドライトスイッチ、エアコンパネル、インフォテインメントシステムなど、クルマを運転する際に使う装備については、人間工学を専門とする内装設計のスペシャリストが、これまでの実績や知見をもとにして、インテリアデザイナーと相談しながら決められています。
なにより大事なのは、ドライバーが正しい姿勢でシートへ座った状態でハンドルを握ったときに、背中を浮かせずに操作ができることです。
これらを考慮して、優先度が高いものから、前後方向や高さ方向の位置を決め、レイアウトされていきます。
車内装備のレイアウトを行う、とある国産自動車メーカーの内装設計者に取材をしたところ、次のように説明します。
「緊急に操作が必要となるハザードスイッチは、やはり優先度が高い重要なスイッチのひとつだと考えています。
ただ緊急時に使う非常に重要なスイッチではあるものの、シフトレバーやナビゲーションのタッチパネル、エアコンの温度調整やデフォッガーなどの操作スイッチに比べ、運転中の使用頻度がそれほど高いわけではありません」
こうした理由から、ハザードスイッチをいわゆる「一丁目一番地」(最優先すべき要素)の操作系統として配置するには、ちょっと「もったいない」という考えがあるそうです。
■近年の新装備によりハザードスイッチの位置が「統一」されつつある!?
一方で、内装設計者はこうも話します。
「室内をなるべく美しくレイアウトする、という観点でいえば、ハザードスイッチが極端に悪目立ちして車内の雰囲気が阻害されないよう、配慮する必要もあると考えます」
センターディスプレイの大型化にともない、近年登場の新型車ではその下にできた空間にハザードスイッチが集約される傾向にあります[画像はトヨタ「カローラ」の例]
とっさに操作ができる場所へ配置するのが大前提としながらも、インテリアデザインを阻害しないよう配慮しながら位置決めを行っているため、結果としてハザードスイッチの配置場所がモデルチェンジごとに変わってしまう、ということになるようです。
もちろん「位置がバラバラでわかりづらい」というユーザーからの指摘は、内装設計者も把握しているといい、以前ほど配置がバラバラにならないように考慮していると話します。
また、万が一ドライバーが意識を失うようなことがあった場合も考えて、助手席側からも操作ができるよう、車両の中心ちかくにレイアウトするのを理想としているともいいます。
さらに近年は、インフォテインメント用としてかなり大型な液晶ディスプレイが室内のど真ん中、まさに“一丁目一番地”へ配置され、貴重なスペースを独占しています。
実はこれが、思わぬ副産物を生み出していました。
ディスプレイの真下に四角く空いた横長の空間を活用し、エアコン吹き出し口などとともにハザードスイッチをレイアウトするパターンが増えてきたのです。
結果として、ハザードスイッチの配置が統一される大きな流れができつつあります。
※ ※ ※
ただし、上記の話にも例外があります。
タクシー専用車両の「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」は、ステアリングホイールの上の左側にハザードスイッチがレイアウトされています。
一見すると不思議な場所ですが、路上で停車する機会も多いタクシー車両という特殊性から、運転手がハンドルを握ったままで、素早く操作しやすいように考えたレイアウトになったようです。
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