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スバルに軽じゃない「トラック」あった! しかも「荷台に座席」!? 日本じゃ売ってなかった「BRAT(ブラット)」とは

くるまのニュース / 2023年7月22日 17時10分

実用的な「はたらくクルマ」のイメージが強い「トラック」ですが、アメリカなどでは実用的な市民のアシとしても愛用されています。そんな市場に向け、スバルもオシャレなピックアップトラックを発売していた時期がありました。

■アメリカの風を感じるオシャレな「ピックアップ」がスバルにもあった

 スバルといえば近年は、「クロストレック」や「フォレスター」「アウトバック」など、SUVメーカーのイメージが強く、軽を除いては商用トラックを扱っているイメージはありません。
 
 しかしかつてスバルにも、海外市場向けにオシャレなピックアップトラックを用意していたことがあるのです。

 日本で「トラック」と聞くと、いわゆるキャブオーバータイプの「はたらくクルマ」か、軽トラックを思い浮かべる人が大多数かと思います。

 しかし、アメリカでは「ピックアップトラック」と呼ばれるタイプの車両が、業務用としてはもちろん、日常のアシとしても人気を博しています。

 大きなピックアップトラックをまるで軽トラックを乗り回すかのように気軽に使うカッコいい姿は、ハリウッド映画のワンシーンや、あるいはハワイ旅行などで実際に目にしたことがある人も多いでしょう。

 日本ではトヨタ「ハイラックス」くらいしか正規で販売される国産ピックアップトラックは存在しませんが、実は北米地域に向けてピックアップトラックをラインナップしているメーカーは少なくありません。

 ちなみに北米地域でピックアップトラックが人気なのは、お国柄もありますが、日本と同じく商用車が税制面で優遇されている点と、若いユーザーでも保険料がそこまで高くないという理由が多くを占めているようです。

 そんなピックアップトラックは、日本では水平対向エンジンを搭載した乗用車のイメージが強いスバルも例外ではなく、1970年代から北米市場に向けてピックアップトラックを生産、販売していました。

 それが1977年に販売をスタートした「ブラット」です。

 このブラット、フロントマスクを見れば分かるように、ベースとなったのは当時の「レオーネ」であり、搭載エンジンや四輪駆動システムはレオーネのものを踏襲していました。

 ただ当時のアメリカでは、自国のピックアップトラックを守るため、海外から輸入されるトラックに非常に高い関税が課せられていました。

 他メーカーでは、現地で組み上げることでこの関税を回避していたのですが、モノコックボディのレオーネをベースとしたブラットはこの手法が使えず、荷台部分にプラスチックの座席を2つ備えることで「4人乗りの乗用車」として関税を回避していたともいわれています。

 そしてブラットは1981年に2代目へとモデルチェンジ。ベースも2代目のレオーネへと移り変わりましたが、基本的なボディの作りなどは初代のものを踏襲しており、荷台に備えられた補助シートも継続して設定されていました(1985年モデル以降は廃止)。

 またレオーネにはなかった装備としては「ハローツインルーフ」と名付けられたTバールーフ仕様も存在していました。

 一般的なTバールーフ車と同様、ルーフパネルを外すことはもちろん、両側をチルトさせ、カモメの羽根のような状態で走行することも可能となっていたのでした。

■ブラッド後継車は4ドアタイプに進化したクロスオーバーモデルに

 ブラットの北米での販売は1987年をもって終了となりますが、欧州やアジア、オセアニア地域などには継続して輸出がなされ、90年代まで販売が続けられました。

 しかし残念ながら、最後までブラットが日本市場へ正規導入されることはありませんでした。

北米向けに「アウトバック」(日本名:「レガシィランカスター」)をベースにして開発されたスバルのピックアップトラック「BAJA(バハ)」北米向けに「アウトバック」(日本名:「レガシィランカスター」)をベースにして開発されたスバルのピックアップトラック「BAJA(バハ)」

 その後、しばらくスバルのピックアップトラックはラインナップから消えたままとなっていましたが、2002年1月に開催された北米国際自動車ショーで「BAJA(バハ)」と名付けられた新たなピックアップトラックを発表します。

 このモデルは、新たに「レガシィランカスター」(輸出名「アウトバック」)がベースとなりました。

 レガシィランカスターのクロスオーバーSUVテイストが生かされ、アウトドアシーンが似合うオシャレさが特徴です。

 2ドアピックアップだったブラットとは異なり4ドアとなっており、リアシートを倒してトランク(荷台)スルーにして長尺物を積載できるようになっているなど、見た目以上に使い勝手の優れたモデルに進化していました。

 搭載されるエンジンは、ランカスターにも搭載されていた2.5リッター水平対向4気筒エンジン。

 2004年モデルからは自然吸気タイプだけでなくターボモデルも追加となり、スバルのアイデンティティであるAWDと合わせて高い動力性能も兼ね備えていました。

 なおこのバハは、アメリカインディアナ州にあるスバル・オブ・インディアナ・オートモーティブで生産されており、2006年4月に生産終了されるまでにおよそ3万台がリリースされています。

※ ※ ※

 現在のスバルは北米市場でも「選択と集中」を実施しているようで、「クロストレック」やアウトバック、海外専売車の「アセント」などSUVタイプの車両に注力しています。

 しかしクロスオーバータイプのクルマの人気が高まっている今、再び乗用車派生のピックアップトラックが登場しても面白いかもしれません。

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