ホンダ新「3ドアハッチバック」実車展示! 丸目やシルエットはそっくり!? 「シティ再来」との噂も! 斬新モデルの正体は
くるまのニュース / 2024年4月5日 7時10分
ミラノデザインウィークでホンダは「サステナ・シー コンセプト/ポケット・コンセプト」を展示します。日本でも展示されたこの2モデルは「シティ」「モトコンポ」の再来とも言われました。果たしてその可能性はあるのでしょうか。
■ホンダの斬新コンセプトモデルは「シティ」の再来!?
ホンダは4月16日から21日までミラノデザインウィークで開催されるヴァニティ・フェア・イタリアの「アイデアの庭」にて「SUSTAINA-C Concept / Pocket Concept(サステナ・シー コンセプト/ポケット・コンセプト)」を展示します。
往年の名車である「シティ/モトコンポ」の再来と言われていますが、その理由はどこにあるのでしょうか。
2023年10月、ホンダは「ジャパン・モビリティ・ショー2023」においてサステナ・シー コンセプト/ポケット・コンセプトを世界初公開しました。
一見するとふつうのコンパクトカーのように見えるサステナ・シー コンセプトですが、実は一度使われたアクリル樹脂を再利用してつくられています。
ホンダは「こうした資源の循環利用(リソースサーキュレーション)によって限りある資源の制約から解放され、地球環境の保護と自由な移動の喜びを、将来にわたって両立できるようになります」と、このコンセプトモデルの意義を説明しています。
なおサステナ・シー コンセプトの開発者・田中健樹さんはインタビューで「サステナブルでコンパクト、そして身近な存在」を目指しているとし、さらに自身は初代シティに憧れていたことも明かしています。
そして誕生したサステナ・シー コンセプトの見た目は、身近なコンパクトカー初代シティに似た雰囲気を持ちました。
実際に多くのユーザーは、サステナ・シー コンセプトとともに「ポケット コンセプト」という電動モビリティが発表されたことから、かつての「シティ」と「モトコンポ」の再来を感じたようです。
ホンダが1981年から1986年にかけて販売していたシティは、当時のホンダのラインナップではもっともコンパクトなモデルでした。
発売後またたく間にホンダの人気モデルとなったシティですが、その背景には「トールボーイ」と呼ばれる背の高いスタイリングやポップなデザインが、当時のユーザーに受け入れられたためと言われています。
ただ、シティがいまでも多くのユーザーの記憶に焼き付いて離れないのは、同時に発売されたモトコンポの存在によるところが大きいのは間違いありません。
モトコンポは、シティのラゲッジルームに積載することのできるユニークな原付バイクです。
独特のデザインを持つモトコンポはもちろん公道走行も可能ですが、ホンダとしてはクルマ(シティ)で目的地まで移動した後、現地での移動に活用することを想定していたようです。
その斬新なコンセプトから、当時の販売台数は決して好調とは言えなかったモトコンポですが、多くの自動車メーカーが「ラストワンマイル」の移動に対して様々な提案をしている現代では、早い段階でシティとモトコンポの組み合わせを提案したホンダの先見の明が評価されています。
サステナ・シー コンセプトがシティ、そしてモトコンポの再来と言われるのは、かつて両車が提案したコンセプトを、より現代的なかたちで再現しているからにほかなりません。
■サステナ・シー コンセプトが「次期シティ」ではないと考えられる理由とは
ホンダからの公式なアナウンスはありませんが、サステナ・シー コンセプトおよびポケット コンセプトが、かつてのシティとモトコンポをイメージしていることは、そのカラーリングを見ても明らかです。
では、サステナ・シー コンセプトおよびポケット コンセプトが発表されたのは、近い将来にシティ、そしてモトコンポが復活する可能性を示唆していると言えるのでしょうか。
もしそうであれば、多くのユーザーが沸き立つことは想像に難くありません。しかし、残念ながら、現時点でサステナ・シー コンセプトに関してはその可能性は低いというのが実情です。
その最大の理由は、サステナ・シー コンセプトはあくまでもリソースサーキュレーションについて提案したコンセプトモデルであるためです。
クルマそのものについては、電動パワートレインを搭載していること以外にほとんど明らかにされておらず、詳細なボディサイズやスペックなども不明となっています。
こうした状況を総合すると、サステナ・シー コンセプトが市販を前提にしていると考えるのは、やや無理があるかもしれません。
一方でポケット コンセプトでは無いものの、米国ホンダは2023年9月14日に、電動小型バイクとなる新型「Motocompacto(モトコンパクト)」を発表し、同年11月から米国では995ドル(約15万円)で発売しています。
名前がモトコンポに似ていることに加えて、収納時にはトランクケースのようになるため持ち運びも出来るというコンセプトも似ており、一部では「日本でも売って欲しい」という声も見られていました。
手前に置かれているのが2輪車「Pocket Concept(ポケット コンセプト)」です
そして肝心なサステナ・シー コンセプトの市販版とは別に、かつてのシティのエッセンスを汲んだBEVが登場する可能性がまったくないわけではありません。
ホンダは2026年にSUVタイプを含む小型BEVを2モデル発売する方針を示していますが、2024年4月現在、その詳細は公表されていません。
1つはSUVと見られますが、もうひとつはコンパクトなハッチバックになったとしても不思議ではありません。
さらに、それと同時に、その新しいBEVに積載可能な小型電動モビリティが登場することも十分考えられます。
これが実現すれば、差別化が難しいとされるBEVのなかで、ホンダらしい独自の色を見せることができそうです。
いずれにせよ、現時点ではホンダからの公式なアナウンスはありません。そのため、シティやモトコンポが復活するのかどうかについては、ホンダからのさらなる発表を待つ必要がありそうです。
※ ※ ※
日本においては、1995年に「ロゴ」にその座を譲る形で販売終了となったシティですが、その後はおもに新興国向けのコンパクトセダン/ハッチバックとして、現在でも販売が続けられています。
そうした背景もあり、仮にシティをオマージュしたコンパクトハッチバックが将来日本で登場することになったとしても「シティ」に名前が与えられる可能性は低いかもしれません。
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