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「じいちゃんは僕がいるけど、頼る人いないお年寄りも多い」 1人便利屋を開業、青年の思い

京都新聞 / 2024年5月15日 16時0分

便利屋を始めた霜尾剛志さん。軽バンに道具を積み込んで府北部を駆け巡っている(舞鶴市公文名)

 朝から民家の草刈りに汗を流したかと思えば、午後は雪の重みで傾いたカーポートを修理する。霜尾剛志さん(30)=京都府綾部市=は、依頼に応じて、工具や掃除用品などを積み込んだ軽バンで府北部を走り回る。

 京都府舞鶴市で電気土木業を営む家に生まれ、府立工業高を卒業した後に同業種の会社を経て家業に入った。平日でも急に休みになることがあり、その際は市内の山間地域にある祖父宅によく向かった。農作業や身の回りの手伝いをする中で「お年寄りとしゃべるのが好き」と気付いたという。

 福祉用具を営業販売する会社に転職し、多くの高齢者宅を訪問してやりがいを覚える一方、限界も感じた。福祉用具や福祉サービスを必要とするほどではないものの高齢者だけでは難しい、電球交換やタンスの移動といったニーズに応えきれないからだ。

 息子や娘が近くにいない高齢者も多く「じいちゃんには僕がいるけど、頼れる人がいないお年寄りも多い」。困り事を解決できる存在になりたいと、昨年10月に便利屋を開業した。持ち前の体力と電気工事士などの資格を生かし、さまざまな仕事を引き受ける。

 印象深いのは、固定電話の不調に悩む高齢女性からの相談だ。NTTや電話機メーカーに問い合わせ、新しい電話機を購入した方が良いと判断。近くの家電量販店で買い、設置・設定まで行った。「事前にやることを決めるのではなく、話をしながらお客さんが何をしてほしいかくみ取っていく」という理想に沿って問題を解決できた。

 開業から約半年、気軽に頼める相手として信頼関係を広く築くことが当面の目標。将来は便利屋の力で、府北部を「自宅にこもりがちなお年寄りも活気づく地域」にすることを思い描く。

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