「まだ試合中」「最後のコマ誰?」 超唐突な最終回を迎えた人気スポ根マンガ
マグミクス / 2023年9月19日 6時10分
■アニメ化もされた人気マンガが試合中に突然連載終了?
人気マンガほど連載が終了すると、読者からたくさんの反響が寄せられます。なかには終わり方が中途半端で、「打ち切りなのでは?」と疑いなくなるような作品も存在しました。今回は2010年代の「スポーツ」が題材の作品から、唐突に最終回を迎えたマンガを振り返ります。
※この記事では『ベイビーステップ』『競女!!!!!!!!』『セーラーエース』のネタバレを含みます。
2007年から2017年に渡って「週刊少年マガジン」で連載されていた『ベイビーステップ』は、2014年に第38回講談社漫画賞少年部門を受賞し、2021年時点で累計発行部数1260万部を突破した大人気テニスマンガです。
同作は几帳面でまじめな主人公・丸尾栄一郎が高校進学を機に、軽い気持ちでテニススクールに通い始めるところから物語が始まります。高校生によるテニスが題材ですが、部活動ではなく、地域のテニススクールが主な舞台となる珍しい作品です。本作は綿密な取材に基づいて現実的な技術、トレーニング理論が描かれていて、本格派のテニスマンガとして人気を博しました。
そんな『ベイビーステップ』の結末は、栄一郎がプロの選手となり、世界ツアーのデビュー戦となる同世代のジェームス・ファウラーとの試合中に突然訪れました。
ファウラーとの試合で相手に3点先取され、栄一郎はピンチに陥ってしまいます。しかしピンチに陥っても試合を諦めることなく、栄一郎は休憩中に相手選手との試合を分析するのです。ノートにこれまでの試合の要点をまとめた栄一郎が「このまま続ければきっと届く」と意気込み、また試合に向かうところで突然連載が終了したのでした。
この試合中に連載が終わるという結末にネット上では、「打ち切りエンドみたいになってて悲しい…」「個人的にはもっと先を見たかった」「最終的に主人公の試合がTV中継されるレベルにまで成長したとこでバッサリ終わる、これ以上ないくらい最高の終わり方だった」など賛否両論の声が寄せられていました。
なお、最終巻であるコミックス47巻のあとがきでは、作者の勝木光先生が「色々事情もあり主に私の力不足で主人公の人生を描くのはここまでになってしまい残念です」と語っています。
「週刊少年サンデー」で2013年から2017年まで連載された『競女!!!!!!!!』は、架空の政府公認ギャンブルとなっている「競女(けいじょ)」というお尻と胸だけを使ったオリジナルスポーツを題材に、お色気も多いスポ根ストーリーを繰り広げるマンガです。そんな『競女!!!!!!!!』は2016年にはアニメも放送された人気マンガでしたが、唐突な最終回を迎えました。
主人公・神無のぞみは厳しい養成学校を経て、スター選手が集まるA級プロとなり、雪月いくみ引退記念の「尻卒祭」で、ライバルの宮田さやかと決勝戦で戦うことになります。ふたりは壮絶なバトルを繰り広げるかと思いきや、どちらも攻撃が強すぎてお尻がぶつかった瞬間お互いの水着が破れ、審判から「オーバーエロ!!失格ゥゥゥ!!!」と告げられます。審判が叫ぶコマの下部に、大きな文字で「終尻(しゅうけつ)」と記載され、そこで物語は完結してしまいました。
あまりに唐突な最終回にネット上では「その終ケツを見せろよ」「最後、審判のおっさんのモブ顔で終わりかい」「アニメやったばっかなのに打ち切りなのか」「ふりきれっぷりが『競女』っぽくて笑ったwww」といった驚きと自由すぎるラストへの賞賛の声が相次ぎました。
この終わり方に関して、作者の空詠大智先生は自身のブログにて「なにやら唐突に終了しましたが・・実はアニメが放送されるより前から『アニメの放送が終わったら連載も終わるように』と言われていました。(打ち切りみたいに終わってくれと)なので競女のアニメの売り上げだとか評判で終わりが決まったワケではありません」と語っています。
最後に紹介する『セーラーエース』は『バリバリ伝説』『頭文字D』などの人気作を描いてきたしげの秀一先生が、「週刊ヤングマガジン」で2015年から2017年にわたって連載したマンガです。
同作は一時期、野球から離れ、ギャルになった主人公・桜木繭(まゆ)が関東女学院野球部にエースとして復活し、チームを勝利に導いていくスポ根マンガです。主人公の繭を中心に熱い戦いを繰り広げる様子が丁寧に描かれていましたが、コミックス6巻で衝撃の最終回を迎えました。
その終わり方は、強敵・青山インターコンチネンタルハイスクールとの対戦で、関東女学院の猛攻で相手のエース、マリコが登板の準備を始めた時、ファンのおじさんが「大会屈指の好投手どうしのガチンコが見れるぞい」と、小さくガッツポーズをしているコマを最後に終了というものでした。
「打ち切りなのではないか?」とネット上では話題になっていましたが、欄外にしげの秀一先生の次回作が告知されていたため、作者本人が『セーラーエース』を投げだしたのではないかという意見も出ています。「せめてマリコが投げるとこみたかった」「試合序盤もいいところなのに…」「むしろ潔いやめ方」といった反響が続出する最終回となりました。
(LUIS FIELD)
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