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『イースX』はシリーズ初心者にこそオススメ? 予習不要でも楽しめる理由と、新作ならではの独自要素

マグミクス / 2023年9月27日 18時10分

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■10作目だけど、事前の予習はほとんど要らない『イースX』

 好評を博し、長く愛されるゲームシリーズはいくつもあります。しかし、35年以上も歩み続け、しかも主人公が変わることなく一貫しているアクションRPGといえば、『イース』シリーズの右に出るものはありません。

 本シリーズは、1作目(PC版)が1987年に登場して以来、多数の移植・リメイク作を交えつつ、ナンバリングも順調に重ねていきます。そしてシリーズ最新作の『イースX -ノーディクス-』(以下、イースX)が、2023年9月28日にニンテンドースイッチ、PlayStation 5、PlayStation 4用ソフトとして登場。ナンバリングがいよいよ2桁の大台に乗る、ファン待望の一作です。

 長年愛され続けている背景からも分かる通り、『イース』シリーズはファンの期待に応えるゲームを生み出し続けました。ですが、その面白さはファンに向けたものだけでなく、新規ユーザーでも十分満足できる内容と仕上がりを見せており、それは10作目となる『イースX』でも変わりません。

 同一主人公で10作も続くシリーズ最新作が、なぜ新規ユーザーにもオススメなのか。その意外な理由へと迫ります。また、本作に興味を覚えた方に向け、『イースX』独自の新要素も分かりやすくお届けしますので、プレイ意欲の向上にお役立てください。

●10作目ながら、時系列ではほぼ初期に当たる『イースX』

 シリーズが長く続くと、作中の登場人物が経験した出来事は作品を重ねるごとに増えていきます。プレイしたファンからすれば共有する懐かしい思い出ですが、新規ユーザーにとっては未体験の過去なので、むしろ疎外感を覚えてしまうでしょう。これは、あらゆるシリーズ作につきものの難点です。

 しかし『イース』シリーズの場合、ナンバリング作品の多さと出来事の蓄積は、必ずしも比例しません。というのも、本シリーズはナンバリングと時系列が入り乱れており、前後編の関係にある『I』と『II』が初めの冒険ですが、『III』『IV』『V』を時系列順に並べると、『IV』『III』『V』となります。

 そこから『V』『VIII』『VI』『SEVEN』と続き、現時点で発売されている最も新しい作品『IX』に繋がります。この順番もあくまで現在のものに過ぎず、例えば『XI』が今後出た場合、『III』と『V』の間に入る時系列になるかもしれません。

 そして肝心の『イースX』の時系列ですが、順番的にはなんと『I』『II』の直後。ナンバリングでは10作目ですが、作中世界の視点では序盤の冒険譚なので、新規ユーザーでもかなり入りやすい時代設定と言えます。

●『イースX』プレイ前の予習は、ほんのわずかでOK!

 実質的な連作の『I』と『II』を除き、『イース』シリーズは各作品ごとに完結しています。冒険の舞台はいつも異なりますし、登場人物もごく一部を除いて毎回一新しているため、どの作品から遊んでも大きな問題がないのも『イース』シリーズの特徴です。

 特に『イースX』は、前述の通り『I』『II』の後に位置する物語なので、人間関係もシンプルな範囲に留まっています。『I』で知り合った元盗賊の「ドギ」が主人公の相棒となり、『II』に登場した医師「フレア」が旅に同行している、という関係性だけ把握しておけば、『イースX』を遊ぶ前の予習は十分です。

 どうしても万全を期したい場合、ゲーム機向けの『I』『II』は前世代機以前になってしまうのであまりオススメできません。アクセスしやすいスマホ版の『イースIクロニクルズ』『イースIIクロニクルズ』が、最も手軽な手段です。

●無口系主人公なので、プレイヤーの没入感も阻害せず

 遥か昔の時代を描いた『イース・オリジン』などの番外編を除けば、本シリーズは常に「アドル・クリスティン」が主人公を務めています。立場としては旅人、また剣を好んで使う剣士でもありますが、彼の気質は根っからの「冒険家」です。

 実力も確かで頼もしいためアドルに好意を寄せる女性も過去作にいましたが、彼自身は冒険の虜(とりこ)なので、基本的に恋愛関係へ発展することはありません。恋心よりも未知の冒険に惹かれるタイプの主人公ですから、色恋沙汰が苦手なユーザーも安心してプレイできます。

 またアドルは、ここぞという場面や、選択肢で会話する機会こそありますが、基本的には無口で個性を主張し過ぎません。そのおかげでプレイヤーの没入感を阻害しにくいのも、嬉しいポイントと言えるでしょう。

■『イースX』には、プレイ意欲をかき立てる要素がたっぷり!

しなやかな強さが魅力のカージャ

●『イース』シリーズの爽快感は、「アクション+効果音」の心地良さにあり!

『イースX』は最新作ですが、時系列上では『I』『II』の直後。物語の舞台も新たな土地ですし、「主人公のアドルは冒険家」「ドギが相棒」「医師のフレアと同行している」の3点さえ押さえておけば、プレイ前の事前知識は十分です。各作品で完結している『イース』シリーズの中でも、『イースX』はかなり新規ユーザー向けの作品と言えるでしょう。

 未経験者でも入りやすい『イースX』ですが、それだけが特徴ではありません。シリーズを通して受け継がれる魅力もあれば、本作独自の要素もたっぷり備わっています。

 継承している要素で特筆したいのは、アクション面の爽快感です。時代的にシンプルだった初期から、3D空間での縦横無人なバトルを繰り広げる近作まで、ゲーム性は大きな進化を遂げました。ですが、モンスターたちと戦う手応え、そして倒した時の爽快感は、昔も今も変わらず受け継がれています。

 シリーズを長年遊んだユーザーのひとりとして力説したいのが、効果音の気持ちよさ。武器を振り、モンスターを斬りつけ、打倒する。その一連のアクションを彩る効果音が実に小気味よく、クセになるほど耳に残ります。筆者の場合ですが、「経験値稼ぎじゃなくて、この音を聞くために戦ってるのかも」と思う時があるほど、本シリーズの効果音は魅力的です。本作でも素晴らしい効果音は健在なので、どうかご期待ください。

 またアクション性も、音の秀逸さに劣らない切れ味があり、時に近年の作品は「操作しているだけで楽しい!」と思えるほどテンポの良いアクションを提供してくれます。シリーズが長年培ってきた「操作感+効果音」の相乗効果が、『イースX』でも存分に発揮されることでしょう。

●ふたりの連携攻撃で、爽快感も2倍! ソロとコンビを使い分ける「クロスアクション」

 継承した魅力はこれだけに留まりませんが、こちらも見逃せないのが新要素の数々です。『イースX』でも主人公はアドルですが、彼と並び立つもうひとりの主人公「カージャ」もおり、本作はダブル主人公で物語が展開します。

 主人公はふたりいますが、特殊な状況を除いてアドルとカージャは共にいるため、基本はふたりパーティで行動する形です。それは戦闘でも変わらず、「ソロモード」ではどちらか片方を操作し、ステップやダッシュを駆使するハイテンポなバトルを楽しめます。

 そして新要素となるのが、タッグを組んで戦う「コンビモード」です。同じ敵に連携攻撃を仕掛けて与ダメージが増加し、効果音とアクションの気持ちよさも倍増。強敵の攻撃もガードできるなど、攻守にわたって頼もしいコンビプレイを堪能できます。

 どちらのモードも強力ですが、より有利な場面が状況次第で変わってくるので、戦局を見極めて適時切り替えるプレイヤーの腕が問われます。といっても操作自体は簡単なので、身構える必要はありません。使えるスキルもソロとコンビでそれぞれ分かれていて、多彩な立ち回りが味わえます。

●海上に挑む「航海」が、壮大な冒険を描く!

 もうひとつの特徴的な新要素は、帆船「サンドラス号」で乗り出す航海です。海上を自由に移動でき、未知の島々を見つけては探索し、また敵の船団と出くわせば海上戦が勃発と、スケールの大きな冒険をたっぷり堪能できます。

 海上移動の視点は3段階から切り替え可能で、総舵手に近い視点だと波しぶきを間近に感じるほどの迫力ある光景が眼前に。航海できるゲームはいくつもありますが、ここまでのダイナミックさはなかなか味わえません。

 海上戦では、巧みな操舵とさまざまな砲弾の使い分けが肝心です。また、本作に深く関わる力「マナ」を活用したマナバリアで障壁を展開したり、敵船に突撃してダメージを与えるマナセイルを繰り出したりと、通常バトルのアクションとは全く違う豪快極まる戦いがあなたを待っています。

 強力な敵船が相手なら、耐久力を削って停船させ、相手の船に乗り込む「接舷攻撃(アボルダージュ)」でとどめを刺しましょう。この時はアドルとカージャを操作する通常バトルに切り替わり、船上でも変わらぬ活躍で敵を圧倒してくれます。

 さらに、海上戦と陸上戦を続けて行う「奪還戦」では、その名からも分かる通り、敵に奪われた島を奪い返す戦いです。本作に用意された多彩なアクション性を隅々まで味わえる、ボリュームたっぷりのバトルをお楽しみください。

* * *

 長く愛される人気シリーズながら、シリーズ初心者の第1歩にも向いている『イースX』。今回は、特に重要な「ふたつのアクションモード」と「航海」に絞ってお届けしましたが、潜在能力を開花させる「レリーズ・ライン」、マナの力を使って発現させる「マナアクション」、「商船との交易」や「帆船の強化」、大物を狙う「釣り」など、刺激的な要素は多岐にわたっています。

 シリーズファンの目からみても、ナンバリングの数字に気圧される必要は全くありません。また本作が気に入ったら、『IX』や『VIII』などの過去作──時系列では『X』より先の話ですが──の冒険もきっと肌に合うはず。長い歴史を持つシリーズ作という海原に挑み、まずは『イースX』に向けて漕ぎ出してみてはいかがでしょうか。

(臥待)

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