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完璧な作品「ではなかった」『ドラゴンズドグマ』 その続編に注目が集まるワケ

マグミクス / 2023年12月1日 18時40分

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■問題点があり、しかし魅力も多かった『ドラゴンズドグマ』

 カプコンが11月29日午前6時に、『ドラゴンズドグマ 2』の最新情報を伝えるデジタルイベントを実施しました。この発表が話題となり、一時期は『ドラゴンズドグマ 2』がX(旧Twitter)のトレンド入りを果たしたほどです。

 一般的に最新作に関心が寄せられるのは、前作の存在が少なからず影響します。誰もが認めるような名作だった場合、期待が大きく膨らみ、ファンを中心にその作品の話題が自然と盛り上がります。

 ですが『ドラゴンズドグマ 2』の場合、前作の『ドラゴンズドグマ』は、隙のない完璧な作品では、決してありませんでした。にもかかわらず、なぜ『ドラゴンズドグマ 2』にこれほど熱い視線が注がれているのでしょうか。その謎を解くカギは、やはり『ドラゴンズドグマ』自体にあります。

●オープンワールドなのに、アクション性の高いバトル!

 続編の『ドラゴンズドグマ 2』も同様ですが、2012年に発売された『ドラゴンズドグマ』は、オープンワールドを舞台としたアクションRPGです。当時、オープンワールドは既に大きな注目を集めており、『The Elder Scrolls V: Skyrim』(2011年)や『ゼノブレイド』(2010年)などが人気を博していました。

 しかしこの時のオープンワールド作品は、今から見るとまだ発展の途上にあり、例えば『The Elder Scrolls V: Skyrim』の戦闘アクションはシンプルな作りでした。また『ゼノブレイド』は、戦略性はあるもののコマンドバトルを採用しています。

 昨今では、基本プレイ無料の『原神』でも派手なアクションバトルを取り入れていますが、ざっと10年遡るだけでも、オープンワールドのバトル性は大きく異なっていました。

 そんな時代に登場した『ドラゴンズドグマ』は、モーションも含めた多彩なスキル、近接に遠距離、魔法とそれぞれに特化したジョブ、そうした攻撃手段を組み合わせて戦う複合ジョブ、それぞれで異なる戦いの広がりなどを、アクション性をベースに豊かなバトルを実現させました。

 アクションRPGさながらのバトル要素を確立させた『ドラゴンズドグマ』は、「戦闘も楽しいオープンワールド」という稀有な魅力で、多くのゲームファンに驚きを与えます。実際リアルタイムに遊んだ筆者も、『ドラゴンズドグマ』にオープンワールドの新たな可能性を感じたほどです。

●一歩先の経験を持つ従者が、未知の冒険を手助けする

『ドラゴンズドグマ』がプレイヤーに与えた衝撃は、「オープンワールドとアクション性の高いバトルシステムの組み合わせ」だけではありません。特筆すべき点として、「ポーン」の存在も欠かせないでしょう。

 設定面での詳しい説明は省略しますが、「ポーン」は主人公に付き従う従者のようなキャラクターです。戦闘になれば共に戦ってくれる、頼もしい仲間と言えます。

 この「ポーン」は、プレイヤーがキャラメイクできるメインポーンのほか、さらにふたりのポーンを借りることが可能です。借りられるポーンは、ゲーム側が用意したもののほか、オンラインを介して他のプレイヤーが作成したポーンも対象になります。

 戦力として頼もしいのはもちろんですが、それだけなら他のゲームと大きな変わりはありません。「ポーン」の大きな特徴は、クエストの知識や敵と戦った経験などを元に、プレイヤーにアドバイスしてくれる点です。

 例えば、自分よりも先に進んでいるプレイヤーの「ポーン」を借りると、本来の主人と共にこなしたクエストの経験から、向かうべき方角を教えてくれることがあります。ちょっとだけ未来を知っている「ポーン」から助言を受ける──そうしたプレイ体験は、ほとんどの人にとって初めての刺激でした。

 どこかの誰かと、オンラインを介してゆるく繋がるシステム。それを「ポーン」の助言という形で表現したユニークなシステムは、『ドラゴンズドグマ』を忘れがたいゲームとする大きな理由のひとつとなりました。

■さまざまな魅力を持つ『ドラゴンズドグマ』の、見逃せない問題点とは?

特徴的な存在「ポーン」は、『ドラゴンズドグマ 2』でも健在

『ドラゴンズドグマ』のプレイを振り返ると、前述したアクション性や「ポーン」などはもちろん、こっそり王妃に会いに行ったり、城下町を舞台に強敵と戦ったりと、ファンタジーモノとして痺れるシチュエーションの数々も蘇り、非常に思い出深い作品だったと改めて痛感するばかりです。

 ですが、こうした数多くの魅力を持つ一方で、どうしても言及を避けられない残念な点もありました。それは、「オープンワールドなのに、あまり広くない」こと。未知への冒険に挑んだプレイヤーたちは、予想よりも狭かった世界に直面し、肩を落としました。

 残念ながら『ドラゴンズドグマ』の世界は、広大と呼ぶにはやや語弊があります。無論、相応の広さはありますが、人が住む居住区は数えるほどで、大規模なのはお城と城下町程度。そのため、世界そのものは魅力的でも広がりはあまり感じられず、『The Elder Scrolls V: Skyrim』といった歴代の作品と比べると物足りないのも事実です。

 オープンワールドとは思えないほどの「アクション性」を持ち、オープンワールドなのに「あまり広くない」。どちらも併せ持ってしまったのが、『ドラゴンズドグマ』というゲームでした。

●惜しい点があったからこそ、続編への期待が高まる!

『ドラゴンズドグマ』を手に取ったほとんどのプレイヤーが、オープンワールドの広がりにも期待したはず。そして、冒険心が燃焼しきれずにエンディングを迎えました。

 ですが、その弱点だけが評価の主軸になったわけではありません。むしろ、「あとは世界の広さだけがあれば……」という惜しさを、多くのプレイヤーが共有しました。だからこそ、完璧なゲームとして勧めることはできずとも、次回作への期待は逆に高まり、『ドラゴンズドグマ 2』に対する関心の大きさに繋がったのです。

 ちなみに『ドラゴンズドグマ』は、オリジナル版だけでも130万本を販売し、追加要素を加えた『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』は累計で540万本を売り上げました。これだけのプレイヤーが支持したゲームが、「広がりの物足りなさ」という弱点を乗り越えたらどんなゲームになるのか。『ドラゴンズドグマ 2』に期待が集まるのも当然と言えるでしょう。

 現段階ですでに、その広さは4倍相当とも報じられている『ドラゴンズドグマ 2』。前作を遊んだプレイヤーが夢見た「完璧な『ドラゴンズドグマ』」が訪れるのか。その期待に応える最新作は、PlayStation 5/Xbox Series X|S/Steam向けに2024年3月22日発売予定です。期待高まる新たな冒険を、どうぞお見逃しなく!

(臥待)

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