「エグくて観てられん」「気遣ったのにR指定」 グロさを再現したマンガ実写版
マグミクス / 2024年5月16日 20時25分
■目を背けたくなるような残虐シーンの数々
マンガのグロテスクな場面やゴア表現などは、実写化された際に映倫からの年齢制限を避けたり、地上波で放送したりするために、マイルドになったケースは少なくありません。一方で、マイルドな表現に収めずに、生々しいギリギリの表現を見せたドラマや映画も存在しました。
●『親愛なる僕へ殺意を込めて』
「ヤングマガジン」で連載されていた『親愛なる僕へ殺意を込めて』(作:井龍一/画:伊藤翔太)は、2022年10月にHey!Say!JUMPの山田涼介さん主演でTVドラマ化されました。父が殺人事件の犯人という重い十字架を背負った主人公の「浦島エイジ」が、自身が二重人格であることに気付いて、もうひとりの自分を受け入れていくうちに、惨劇に巻き込まれていく物語です。
拷問シーンなどの過激な描写の影響もあったのか、初回視聴率は4%台、2話以降は3%台とあまり多くの人に観られなかったドラマですが、「ストーリーが面白い」という声は少なくありません。ハサミで指を落としたり、ハンマーで急所を潰したりといった、グロテスクなシーンの放送に驚いた人も多いでしょう。
『親愛なる僕へ殺意を込めて』は、お気楽なA面のエイジと腹の底を見せないB面のエイジを見事に演じ分けた山田さんの演技力が称賛された一方、人を選ぶ内容で「ご飯を食べながら観られないグロさ」「地上波レベルの残虐さじゃない」といった声が多数出ていました。
●『まいちゃんの日常』
「アイラ・デラックス」(三和出版)にて連載されていた成人向けマンガ『まいちゃんの日常』(作:氏賀Y太)は、2014年に元セクシー女優の小司あんさん主演で映画化されました。同作は、不死身の体を持つメイド「まい」が、サディストの客やメイド長「楓」に内臓を抜かれるなどの過激な肉体破壊を加えられます。肉体を破壊しても生き返るまいは、幸せになれるのかを問う物語です。
映画本編には、目玉をフォークで刺したり、舌を食いちぎったりといった残虐シーンが多く、「しばらく肉が食べられなくなった」「生々しすぎ」といった感想が出ていました。他にもフォークで指を刺して血しぶきが上がるシーンや、股を食いちぎるシーンも出てきます。
残虐性のあるシーンが多いこの作品について、観た人の多くは「臓物が本物すぎ」「低予算とは思えない出来の素晴らしさ」と、臓物のリアルさを称賛していました。当然というべきかR18+の年齢制限が付いていますが、残酷描写に耐性がある方は観ていただきたい作品です。
●『殺し屋1』
「ヤングサンデー」で連載されていた『殺し屋1』(作:山本英夫)は、2001年に浅野忠信さん主演のR18+指定の映画として実写化されました。新宿歌舞伎町の裏社会を舞台に、狂気と暴力が渦巻くなかで、男たちが繰り広げる残酷でシュールな戦いが描かれます。
殺し屋たちとヤクザが戦うなかで、体が真っぷたつに割れたり、生首が転がってきたりするグロテスクなシーンが多々あります。また、乳首を切り落とすシーンといった原作にもあるグロいシーンを完全再現しており、「よく実写化できたな」と驚いた人も多いでしょう。さらに、男性だけでなく女性や子供が拷問されるシーンもあり、衝撃を受けたという人も少なくありません。
ただ、映画『殺し屋1』は原作からカットされた残酷描写や、性描写もいくつかあります。脚本を担当した佐藤佐吉さんは、自身のXで映画制作時のことを振り返り、「R指定をなるだけ回避すべく脚本段階で具体的にどの描写がひっかかりそうか映倫チェックを受け、露骨で無邪気な暴力や性描写には極力気を使った」「にも関わらず『映画自体が反社会的』との理由で結局R18」と、映倫の審査への不満を漏らしていました。
それでも強烈な作品であることは変わりありませんが、耐性がある人は原作と比べてみてどんな配慮がされているのか観てみるのも面白いでしょう。
(LUIS FIELD)
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