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「アニメ版は無理だろ…」を覆す 大問題シーンをしっかり再現しちゃった作品

マグミクス / 2024年5月18日 16時25分

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■『鬼滅の刃』のおぞましいオブジェも見事に映像化!

 原作の再現にとことんこだわったアニメはヒットしやすく、評判も高くなりやすいので、「幸せなアニメ化」といえるでしょう。しかし、あまりにも本気で再現を行った結果、むしろ原作ファンをドン引きさせてしまうケースもあるようです。

●SNSを一躍席巻した『チェンソーマン』の「ゲロチュー」

「ゲロチュー」とは、キスをしながら吐しゃ物を流し込む行為を指します。この言葉を世間に広めたのが、2022年11月に放送されたアニメ『チェンソーマン』の第7話「キスの味」でした。

 このエピソードは公安対魔特異4課のデビルハンターたちが居酒屋で新人歓迎会を行うという内容で、「デンジ」が酒癖の悪い先輩「姫野」の標的になります。そして公衆の面前で唇を奪われるのみならず、泥酔した姫野の口から「とろけるモノ」が流れ込んでくるのでした。ファーストキスをとんでもない形で汚されたうえ、「栄養になるモノを飲み込むクセ」が災いし、吐しゃ物を飲み込んでしまう……という、まさに踏んだり蹴ったりな展開です。

 原作の時点で大きな衝撃を呼んでいたこのシーンを、アニメではモザイクこそかけていたものの、真っ向勝負で描き切っています。放送後のSNSはさながら「ゲロチュー祭り」の様相で、原作者の藤本タツキ先生も「ながやまこはる」名義のX(旧Twitter)にて「よくジャンプでやれたな」とどこか他人事のように驚いていました。

 ちなみにサビで「ゲロチュー」(Get on chu)と連呼する特別ED主題歌「ちゅ、多様性。」は、anoさんが大ブレイクするきっかけともなったため、メディアミックスでの仕掛けとしては大成功といえるのではないでしょうか。

●『鬼滅の刃』「鍛人の断末魔」

 もはや国民的コンテンツとなった『鬼滅の刃』にも、よく見ると少年マンガとしてはかなり過激な描写が盛り込まれています。

 特に残酷で有名なものといえば、「鍛人(かぬち)の断末魔」でしょう。この言葉が登場するのは「刀鍛冶の里編」で、上弦の鬼である「玉壺」が里で暮らしていた鍛冶職人たちを素材として作り上げた、おぞましいオブジェの名称です。

 人間を素材にしてオブジェを作るという発想、5人の人間がデタラメに継ぎ合わされ、至るところからその手足が突き出ているという造形、ひょっとこの面からのぞく鍛冶たちの苦悶の表情、そして「素材」にされた人間の知り合いが思わずその名を呼ぶという情景……。この「鍛人の断末魔」の登場シーンは、どこを切り取っても悲痛で残酷です。

『鬼滅の刃』は幅広い年齢層が観る作品なので、アニメ化にあたって「地上波で放送できるのか?」と心配する原作ファンもいたようです。しかし、いざ放送されてみればまさかの完全再現、それどころか「素材」があげる苦しみの声や、刀を刺された傷から時折血を吹き出す様子など、より細かなディテールが追加されていました。

 アニメ制作会社のufotableは、もともと原作再現に定評があるものの、このシーンはこれまで手掛けた作品のなかでも特に高い評価を得ているようです。ネット上の視聴者からも「おぞましいけどスタッフの気合がすごい」「謎の本気度」「アニメ化できるのか? とか言ってたらディテールが細かくなってる」と称賛されていました。

■宇佐美の迷探偵シーンも「映像化ってマジか……」

宇佐美時重がパッケージのアニメ『ゴールデンカムイ』DVD第12巻(NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン)

●『なるたる』貝塚ひろ子の「ミミズジュース」

『ぼくらの』で知られる鬼頭莫宏先生の初期作品、『なるたる』は数々のトラウマシーンによって、もはや伝説級の扱いを受けています。

 一見、女子小学生とかわいらしいマスコットキャラのひと夏の冒険譚に見えますが、実態はかけ離れており、理不尽な死や生々しいイジメ描写などが満載で、いわば「この世の地獄の詰め合わせ」のようでした。

 なかでも読者の脳裏にトラウマとして刻み込まれているのが「ミミズジュース」でしょう。主人公の同級生である「貝塚ひろ子」が受けたイジメのひとつで、コップに入れた水とミミズを飲まされるというものです。

 ひろ子がそれを飲むに至るまでの経緯も陰湿で、いじめっ子はビーカーに次々とミミズを入れながら、「早く飲んだ方がいいよ」「だんだん増えるよ」と脅しをかけるのです。追い詰められたひろ子は、これ以上たくさんのミミズを飲まされるくらいなら……と決断へと追い込まれます。視聴者がリアルに想像できてしまうという点で、マンガやアニメの歴史上でも屈指のトラウマシーンといえるでしょう。

 2003年、同作がキッズステーションで放送された際には、ビーカーのなかのミミズを直接描写しないという配慮こそあったものの、このシーンはきっちり再現されていました。

●『ゴールデンカムイ』宇佐美上等兵の「精子探偵」

 アニメ化だけでなく実写化もされた野田サトル先生のマンガ『ゴールデンカムイ』も、過激な描写の多い作品といえるでしょう。アイヌの遺した黄金を巡るシリアスなバトルを描きつつ、主人公たちが精力増強作用のあるラッコ鍋を食べ、裸でくんずほぐれつしてしまったり、野生の熊と性行為に及ぶ人物が出てきたりと、かなり独特な世界観です。

 特に屈指の迷シーンとして挙げられるのが、札幌編の「精子探偵」を巡る一幕でした。札幌の連続殺人事件の手がかりを探るため、「鶴見中尉」の命令により、「菊田特務曹長」と「宇佐美上等兵」が札幌にやってきます。そこで自身もサイコパスの気がある宇佐美は、犯人の心理を想像し、「犯人は殺害現場に戻ってくる」という予想を立てたあと、その現場で性器を握りしめ、自慰行為に及ぶのです。

 そして宇佐美は「違うな……ここじゃない。ここか?」と、犯人になりきって犯行後の興奮を収める自慰行為にピッタリな場所を探しました。ついには、「ヒヒーン」という謎の掛け声と共に、「発射」へと至ります。宇佐美が精液を飛ばした先には、なんと彼の予想通り、現場に戻ってきて行為に及んでいた犯人の精液がありました。

 液体をこねくり回し匂いを嗅いだ宇佐美は、犯人の行動について精密なプロファイリングを行います。それを聞いた菊田は、「なんてこった……こいつはとんだ精子探偵だぜ」と返すのでした。さらにそこから、前代未聞の「銃撃戦」が行なわれていきます。

 下品すぎるため、原作ファンのあいだですら評価が分かれるエピソードですが、2022年から2023年にかけて放送された第4期でしっかりと再現されています。当然、ネット上は「自慰行為真っ向から描いてて草」「アニメスタッフ、本当にやりやがった!」と大盛り上がりしていました。

 今回あげた「大問題シーン」はいずれも大きな衝撃と共に語り継がれており、話題作りとしては大成功といえるかもしれません。見事にアニメ化してみせたスタッフたちの勇気には、驚かされるばかりです。

(ハララ書房)

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