僧侶が消しゴムはんこで描いた絵→「学びが深い」「可愛すぎる」と300万回再生 作品から伝わる「私たちの人生と同じ」
まいどなニュース / 2024年4月9日 11時50分
お寺の住職が、手作りの消しゴムはんこで六地蔵を描く動画がInstagramで368万回再生され、話題となりました。あえて「ズラす」ことで魅力的に描かれた六地蔵に、「お地蔵さまの表情が可愛すぎる」「ほのぼのしました」と反響が寄せられています。
動画を投稿したのは、新潟県にある浄土真宗本願寺派 青木山極楽寺の住職で、消しゴムはんこ作家としても活動している麻田弘潤さん(@kojunasada)。仏教をテーマとして結成された消しゴムはんこユニット『諸行無常ズ』の1人として、全国各地のお寺などでワークショップを主催しています。
今回投稿された作品は、6体のお地蔵さまが並ぶ『六地蔵』。まずは、消しゴムを彫って作ったお地蔵さまの身体にインクをつけて、紙にポコポコと押していきます。
六地蔵の身体が揃ったら、次は細かいパーツへ。目・鼻・口の顔パーツは、あえてズラしながら押すことで表情が出て、まるで地蔵さまがおしゃべりしているようにもみえます。
さらにお地蔵さまに黄色い編笠をかぶせ、前掛けはピンク・水色・オレンジとカラフルな配色で押していきます。
最後にお寺のスタンプを押したら、六地蔵の完成です。あえて作った「ズレ」により、お地蔵さまに表情が出て、味わい深い作品となっています。
投稿には、『このはんこは、たくさん押して、それぞれズラすことで魅力的になるように作っています。私たちの人生も同じで、ひとつの正解を全員が目指す必要もないのかなぁと思います』と、住職である麻田さんのメッセージが添えられました。
動画には500件を超える、多くのコメントが寄せられました。
「お顔をずらして押した瞬間、可愛すぎて『ひゃー♡』となりました」
「『ズレを楽しむ』心に刻みます」
「小学生の時、図工で消しゴムスタンプ作ったなぁ〜」
「眺めているだけで安らぎます」
動画を投稿した麻田さんに話を聞きました。
ーー今回の六地蔵はんこの製作時間は?
「計20分くらいです。描く5分、彫る10分、押す5分くらいでしょうか。彫るのは10分もかからないかもしれません」
ーー消しゴムはんこ製作を始めたきっかけは?
「きっかけは2004年に発生した新潟県中越地震で被災したことです。幸い新築で被害のなかった極楽寺は避難所となり、その後もボランティアの宿泊や慰問コンサートなどの受け入れを続けていく中で、地元の若者と一緒に復興イベントを開催するようになりました。
そのイベントの中でフリーマーケットを開催したのですが、その際に、無地の布バッグに消しゴムはんこを押し、オリジナルエコバッグを製作する企画をスタッフで考え、はんこ担当が私になりました。その時にすごく喜ばれたことで、嬉しくなって趣味となっていきました」
ーー仏教にも消しゴムはんこを取り入れているそうですね。
「しばらくは趣味の範囲でワークショップなどをやっていたのですが、2011年に発生した東日本大震災のボランティア活動で、被災された方にお好きなはんこを彫って差し上げて楽しんでもらおうという活動を主催しました。その際、被災された現地の方から、これまで周囲も聞いたことがないような被災時の体験談を聞くことができ、『消しゴムはんこは、はんこを作ることだけじゃなくて、コミュニケーションツールとして優れている』ということに気づきました。
そこから僧侶として、仏教に消しゴムはんこを取り入れるようになり、2012年12月に仏教モチーフの消しゴムはんこ製作を教えながら、仏教法話も同時に行うワークショップを全国で開催するようになりました」
ーー青木山極楽寺では、毎月新作のはんこを楽しめる『参拝記念 消しゴムはんこの日』があるそうですね。参拝者の反応はいかがですか?
「『可愛い!』と言っていただけたり、『毎月参拝したい!』との声をいただいています。また、モチーフの意味を聞いていただくなど、だんだんと仲良くなり、檀家さんとの旅行に一緒に参加してくださる方がいたり、身の上相談をされたりもします」
ーー住職として大切にしていることや、消しゴムはんこを通して伝えたいことを教えてください。
「私たちは、それぞれの心の中に、正解であったり正義を作って生活しています。それは、人それぞれに違うのですが、人によってはそれが普遍で絶対的なものとして捉えてしまい、『そうでなくてはならない』と自身で苦しんだり他者を攻撃してしまったりします。
そんなことをしなくても、違いを認め合ったり、楽しめば、『ズレ』もずれたまま調和するのではないかと思います。そのようなことを、楽しみながら感じてほしいという想いで、ワークショップやはんこ製作を行っています」
麻田さんが運営するInstagram(@kojunasada)では、麻田さんが製作した消しゴムはんこの作品や、仏教を取り入れた消しゴムはんこのワークショップの情報を見ることができます。麻田さんが住職を務める青木山極楽寺で毎月開催される『参拝記念 消しゴムはんこの日』も人気です。
(まいどなニュース/ラジオ関西・五ヶ瀬 あお)
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