『部員3人の女子相撲部』の挑戦...ゼロから立ち上げて目指すは『女子相撲の発展』情熱とアイデア稽古「土俵がなくても勝てる」で団体戦優勝を目指す!
MBSニュース / 2024年4月18日 12時52分
土俵の上で激しくぶつかり合う女性たち。4月7日、大阪府堺市で開かれたのは『女子相撲』の全国大会です。この大会に挑戦した一人の大学生に密着しました。
相撲部のない大学へ進学も…1人で相撲部を立ち上げ
神戸市北区にある神戸親和大学。授業を受けているのは大学4年生の古瀬愛恵さん(21)です。古瀬さんが授業の合間に取り組んでいること。女子相撲部の主将を務めているのです。
(古瀬さん)「相撲は他のスポーツと違って、本当に一瞬で決まるスポーツじゃないですか。それが本当に相撲の一番面白いところだと私は思っていて」
長野県出身の古瀬さんは、小学1年生の時に参加した地域の子ども相撲大会をきっかけに相撲に魅了され、高校は鳥取県にある相撲の強豪校に入学。全国大会でも上位に入賞しました。しかし、卒業後に選んだのは当時は相撲部がなかった神戸親和大学でした。
(古瀬さん)「中学校の保健体育の先生になりたくて、相撲と資格の勉強が両立できると思って」
相撲を通して学んだことを子どもたちに教えたいと考え、教員免許取得の支援が手厚い神戸親和大学に進学。
一方で、相撲への想いも捨てきれず、1人で相撲部を立ち上げました。高校の後輩だった長門美咲さん(20)と田村仁愛さん(19)も神戸親和大学に入学したため、今では部員は3人に増えました。
(長門美咲さん)「(古瀬さんは)相談に乗ってもらうなど頼りになる先輩です」
(田村仁愛さん)「練習でシーンとしていたら、やろうよって盛り上げてくれます」
土俵なし、指導者いない…アイデアで『土俵なくても勝てる練習』
しかし、課題もあります。土俵がないため剣道場などを使って練習していて、専門の指導者もいません。
(古瀬さん)「土俵の円をロープで囲います。雨が降って外でできない日は(室内で)ロープで代用したり、外でする場合は棒で円を描いてやっています」
練習メニューは3人で考えます。この日に取り出したのは跳び箱です。
(古瀬さん)「(相手に)すばやく当たる練習で、段をつけることによってスピードが増すので」
跳び箱を使った練習方法は瞬発力を鍛えるためのもの。
ほかにも体幹などを鍛えるトレーニングをしたり、取り組みの様子をスマートフォンで撮影したりして、『土俵がなくても勝てる練習方法』を実践しています。
(古瀬さん)「土俵がない分、いろんなトレーニングを取り入れて、そのトレーニングが相撲にどうつながるかというのを考えながら練習しています」
そんな古瀬さんたちが見据えるのは『国際女子相撲選抜堺大会』。全国の中学生から社会人の実力者、約100人が集まる大会です。体重制限なし。3人1組の団体戦での優勝を目指します。
(古瀬さん)「神戸親和大学女子相撲部の団体戦の最高順位が準優勝で終わっているので、今年こそ優勝して、気持ちよく一年をスタートできるようにしたいです」
母校の恩師の下で5日間の合宿 課題は「攻める姿勢」
大会まで約1週間と迫った4月1日、古瀬さんたちの姿は鳥取県にありました。着いたのは母校の鳥取城北高校。第73代横綱の照ノ富士など多くの有名力士を輩出した高校相撲界の名門です。
土俵の感触を確かめ、高校時代の恩師からの指導を受けるために来た古瀬さんたち。久しぶりの土俵に練習にもより気合いが入ります。
しかし、相撲を取ると、恩師から厳しい指導が。
(鳥取城北高校女子相撲部・顧問 須藤愛先生)「しょうもない相撲とって、お前たち2人ともずっと守ってばかり」
古瀬さんたちは自分から攻撃をしかけられていないことを指摘されました。
(須藤先生)「遅い、遅い、2人とも遅い。前に出ながら、前に出ながら」
5日間に及んだ合宿。攻める姿勢を意識して練習を繰り返しました。
(古瀬さん)「どこで技を決めたりとか、感覚がやっぱり土俵があることによってつかめるので、良い確認ができました。相手の様子をうかがってやってしまうことが多々あるので、自分の相撲に早くもっていけるようにすることが神戸に帰ってからの課題」
「国際女子相撲選抜堺大会」団体戦には日本各地や台湾から26組が参加
そして大会当日4月7日。団体戦には日本各地や台湾から26組が参加しました。古瀬さんたちも緊張した面持ちです。
(古瀬さん)「自分たちが今までやってきた成果を十分に発揮できるように全力を尽くしたいと思います」
神戸親和大学相撲部が挑む団体戦1回戦。相手は母校の鳥取城北高校です。
課題だった攻める姿勢を意識して序盤から技をしかけて快勝しました。その後、2回戦、3回戦と順調に勝ち進み、迎えた準決勝。
相手は静岡県の高校生と大学生の混合チームです。先鋒の長門さん、相手のバランスをうまく崩して、見事勝利。中堅の田村さん、惜しくも土俵際で押し倒されてしまいました。
ここまで1勝1敗。勝負の行方は大将の古瀬さんに託されます。相手の猛攻に果敢に立ち向かいますが、攻めきれずバランスを崩してしまいました。
結果は3位。目標の優勝には届きませんでした。
(古瀬さん)「自分の相撲を取り切ることができずに後悔が残ってしまったので、また同じ繰り返しをしないように、また一から基礎を見直して、次こそは絶対優勝をとりにいきたいです」
(長門さん)「先輩が最後なので…最後に優勝をプレゼントできるように、後輩たち2人で頑張りたいと思います」
(古瀬さん)「仲間がいなかったら団体を組むこともできていなかったので、周りに感謝することはもちろんですけど、後輩たちにも感謝して、次こそは優勝をとりにいきます」
『土俵がない大学から女子相撲を盛り上げたい』。想いを胸に、3人でさらなる高みを目指します。
この記事に関連するニュース
-
元幕内・石浦の間垣親方、6・1に引退相撲「一つの区切り」 母校の鳥取城北高と伊勢ケ浜部屋の団体戦も
スポーツ報知 / 2024年5月21日 19時41分
-
6・1石浦引退相撲で「鳥取城北高VS伊勢ケ浜部屋幕下以下」団体戦開催!間垣親方「良い勝負になる」
スポニチアネックス / 2024年5月21日 13時5分
-
【高校相撲金沢大会】鳥取城北が2年ぶり7度目V 2年生の西村和真が個人&団体の2冠達成
スポニチアネックス / 2024年5月20日 11時26分
-
[相撲・高校金沢大会]海洋(新潟糸魚川市)が団体3位、準決勝で鳥取城北に敗れる
新潟日報 / 2024年5月19日 21時55分
-
【世界相撲選手権予選】女子軽量級は山下寧々、中量級は長谷川理央が激戦制して2年連続の代表切符
スポニチアネックス / 2024年5月13日 10時13分
ランキング
-
1妻を切りつけた88歳、殺人未遂容疑で逮捕…妻は搬送先で死亡確認
読売新聞 / 2024年5月25日 20時51分
-
2福岡・天神の繁華街でタクシーが暴走、歩行者はねる…70代運転手含む4人搬送
読売新聞 / 2024年5月25日 23時7分
-
3ビール、日本酒、焼酎水割り…飲酒運転でも「無罪」通るか 危険運転致死罪で起訴の男 法廷から
産経ニュース / 2024年5月25日 17時40分
-
4三重の国道1号、77歳運転の車が逆走…4台が絡む事故でバイクの男性死亡
読売新聞 / 2024年5月25日 14時56分
-
5「chocoZAP」高速道路PAに初出店 ノンアルバー、ドンキ、回転ずし...珍しいサービスあれこれ
J-CASTニュース / 2024年5月25日 18時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください