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魚もサボると罰を受ける!? 魚の協力社会の維持に罰が重要であることを大阪公大が実証

マイナビニュース / 2024年4月11日 6時25分

画像提供:マイナビニュース

大阪公立大学(大阪公大)は4月9日、「ヘルパー」と呼ばれる両親以外の個体が子育てを手伝う協同繁殖魚において、親は怠け者のヘルパーに罰を与えることを実証したと発表した。

同成果は、大阪公大大学院 理学研究科の日髙諒大学院生、同・十川俊平特任研究員、同・幸田正典特任教授、同・安房田智司教授らの研究チームによるもの。詳細は、米・動物行動協会が刊行する動物の行動生態学に関する全般を扱う学術誌「Animal Behaviour」に掲載された。

ヒトの社会では秩序を維持するために、親のしつけから法律による刑罰に至るまで幅広くの罰があり、罰によって個人に社会生活の社会規範を守らせることで、社会の維持が図られている。

ヒト以外でも社会性の動物はおり、動物たちが協力的な社会をどのようにして維持しているのかの研究が行われている。そこで研究チームは今回、ヒトのように両親以外の個体(ヘルパー)が子育てを手伝う魚の協同繁殖に注目することにしたという。ヘルパーは自分の両親の子育てを手伝うこと(要は弟・妹の育児の協力をする)で親のなわばり内に滞在できると考えられており、手伝わない怠け者のヘルパーは親から罰を受ける可能性がある。研究チームはこれまで誰も行っていなかった複数の水槽実験操作を組み合わせ、罰の証明に取り組むことにしたという。

今回の実験では、協同繁殖魚「Neolamprologussavoryi savoryi」(ネオランプロログス サボリ)が用いられた。両親と、両親の子であるヘルパーの実験群を8つ作り、複数の方法でヘルパーの手伝い行動を妨げる操作が行われ、合計3種類の実験を行うことで、罰が存在するのかどうかが調べられた。3種類の実験内容は、以下の通り。なおヘルパーの手伝い行動とは、繁殖巣の掃除や、近づいてくる他種の追い払いなどである。

操作期間1でヘルパーがほかの水槽に隔離され、手伝いをできなくした後、操作期間2でもヘルパーを入れた透明なケースが水槽内に入れられ、ヘルパーが親のそばにいて手伝えない状態にされた。
操作期間1でも2でも、ヘルパーはほかの水槽に隔離され、手伝いができなくされた。
操作期間1でヘルパーは手伝えるが、操作期間2では透明なケース内に入れられ、親のそばにいても少しの期間手伝えない状態にされた。

すべての実験で、操作期間3にヘルパーが解放され、手伝えるようにされた。3つの操作期間には他種の侵入者が水槽内で提示され、他種の追い払いが手伝い行動となる。実験(1)はヘルパーがサボっている状態に、実験(2)ではサボってはいるが、親から攻撃を受ける前に手伝いができる状態に、実験(3)は実験(1)と実験(2)と比較できるように手伝いのできる状態とされた。

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