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先生の「ウェルビーイング向上」は何が必要? 収入、仕事の負担などから読み解く

マイナビニュース / 2024年5月2日 10時8分

苦情に対して、組織的対応を行っている割合は半数程度にとどまっており、組織対応できている学校の方が教員のはたらく幸せ因子が高く、はたらく不幸せ因子が低い傾向が見られた。

しかし、オーバーワーク因子については、組織で対応している学校において教頭・副校長が高くなる傾向が出ている。また、苦情の組織対応をしている学校の方が20代の「バーンアウト教員」の割合が少なくなっていた。

教員にとって、負担を感じる業務は、過剰な苦情対応や統計調査回答、報告書作成などのほか、部活動の運営に関しても負担との声が上がっている。

しかし、部活動は進んで引き受けている教員もおり、部活動の時間が多忙感を軽減したり、リフレッシュを高めたりしている可能性がある。負担に感じる業務を単に減らすだけではなく、教員としてのやりがいを実感できるような業務にしていくことも視野に入れる必要があるだろうと同社。

また、若年層に見られる教員のバーンアウトに関しては、個人の問題ではなく組織的な問題としての解決が課題となる。若年層はベテランに比べ心理的な負担が高く、苦情対応への負担感も強い。

苦情対応については、組織的な対応をしている学校では、対応していない学校と比較してバーンアウト割合が11.2pt低い結果となっており、組織的な対策によって若年層の負担を軽減できる可能性がある。若年層の成長を促す意味でも、システムとして組織による支援体制の整備が求められると分析した。
○学びの機会がウェルビーイング向上のカギ

収入関しては、「現在の収入は安定していると思う」割合は小学校・中学校・高等学校では6割を超える一方で「現在の収入に満足している」割合は2割にも満たなかった。

収入満足度に大きく影響を与える要因は、「収入の妥当さ」と「収入の高さ」である、「収入の安定性」が収入満足度に与える影響は小さいことがうかがえる。

若年層のバーンアウト対策として、苦情対応への組織的対応の整備を挙げたが、実際に組織で苦情対応している学校においては教頭・副校長の多忙感が顕著に高かったと同社。

これは、教頭・副校長が学校運営において学内外への架け橋としての役割を担っており、組織対応をした場合の負担が集中してしまうためを考えられる。この負担を軽減するためには、業務支援要員の設置が有効な対策といえるだろう。

また、教頭・副校長もまたはたらく幸せへの因子の中でも自己成長の影響が大きい。そのため、教頭・副校長にも学びの機会を確保することで、ウェルビーイングの向上を狙えるのではないかと推測するのだった。

宮崎新之 宮崎 新之(みやざき よしゆき) 大学卒業後に勤めていた某職から転職し、編集プロダクションへ。ライブや演劇などを中心としたフリーのチケット情報誌の編集者となる。その後、編集プロダクションを辞めて大手出版社の隔週情報誌編集部に所属、映画ページを担当。2010年よりフリーランスに。映画をメインにエンタメ系の編集ライターとして、インタビューや作品レビューなどで活動中。 著者webサイト ◆これまでの仕事歴 LAWSONTICKET with Loppi(ローソンチケット) / TOKYO★1週間、KANSAI★1週間(講談社) / ケーブルテレビマガジン(JCN) / web★1週間(講談社) / マイナビニュース(マイナビ) / SPA!(扶桑社) / TVぴあ(ウィルメディア) など この著者の記事一覧はこちら
(宮崎新之)



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