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VLSIシンポジウム2024プレビュー 第5回 回路部門への応募件数は542件で採択率は25%、東工大とキヤノンが注目論文に選定

マイナビニュース / 2024年5月14日 18時39分

画像提供:マイナビニュース

VLSIシンポジウム 2024における回路部門(以前のVLSI Circuits Symposium)には、例年は300件ほどの応募であるが、今回は異例ともいえる542件もの応募があった。採択件数は138件で、採択率は25%と例年の3割台よりもさらに狭き門となった。

主に中国および韓国からの応募が急増したためで、中国からは最多の135件の応募があり、そのうち26件(昨年は10件)が採択された(採択率は19%)。中国の採択率は、例年、平均を下まわっているものの、数も力なりで毎年、論文の質は向上し続けているという。日本からの応募件数は22件、採択は7件となっており、応募件数は日本の6倍、採択件数は4倍ほどというのは脅威と言っていいだろう。

中国に次いで応募件数が多かったのは韓国で117件、そのうち30件が採択され、採択率は26%となっている。以降、米国が106件の応募で32件の採択(採択率30%)、欧州が65件の応募で22件の採択(採択率34%)、台湾が49件の応募で16件の採択(採択率33%)、日本が22件の応募で7件の採択(採択率32%)、シンガポールが23件の応募で9件の採択(採択率39%)と続いている。ちなみに、VLSIシンポジウム委員会では、香港・マカオを中国とは別の地域として集計しており、こちらは13件の応募で2件が採択されている。
最多13件が採択された韓国KAIST

500件を超す応募のうち、82%が大学からとなり、産業界(独立研究組織含む)からの比率は18%ほどにとどまった。10年前には30%を超えていたが、年々比率が減少し、今回ついに初めて20%を切ることとなった。新しい半導体回路の発表は大学からという流れが世界的に定着しつつあるようだ。

発表機関別の採択件数は、韓国Korea Advanced Institute of Technology(KAIST)が13件で最多。以下、IntelとSamsung Electronicsがそれぞれ8件ずつ、台湾の国立陽明交通大学が7件、中国の清華大学が6件、スイスETH Zurich(チューリッヒ工科大)、imec、TSMCがそれぞれ5件ずつと続いている。

日本からの採択7件(実際には、集計後にLate Newsとして東京工業大学の1件が追加されたので8件)の内訳は、東京工業大学(東工大)から3件(すべて無線通信分野、Late Newsの1件含む)、東芝(パワーマネジメント分野)、キヤノン(センサ)、京都大学(センサ)、旭化成エレクトロニクス(デジタル回路)、TSMCジャパンデザインセンター(メモリ)が各1件ずつとなっている。

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