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エスカレーター「片側空け」と「2列乗り」どっちが効率的? 日立系が検証

マイナビニュース / 2024年5月20日 12時29分

画像提供:マイナビニュース

日立ビルシステムは5月20日、エスカレーターを歩行することの危険性についてメーカー・メンテナンス会社の視点で紹介するWebサイトを開設した。同サイトでは、エスカレーターを歩くとなぜ危険なのかといった内容や、エスカレーターの事故事例や豆知識といったコンテンツを発信している。

また「エスカレーターで片側空けをすると輸送効率が下がる場合がある」との検証結果も紹介。これは、立ち止まって利用する人の割合が多い場合、片側が空いていてもそちらを選ばず、立ち止まる列に並んでしまうためだという。詳細を解説しよう。

「片側空け」をすると輸送効率が下がる?

日立ビルシステムが首都圏某駅で2人乗りエスカレーターの利用状況を調査した結果、一定時間の総利用者のうち、65%の人が左側で立ち止まり、35%の人が右側を歩行して利用した。これは、100人が利用する場合、65人が立ち止まり、35人が歩行するということ。また、静止側の密度は約50%(前の人から1枚空けて乗る)で、歩行側の乗車率は約27%だった。

以下、この条件で計算してみよう。エスカレーターの標準的な上昇方向(高さ方向)の速度は分速15mなので、仮にエスカレーターの高さを5mとすると、利用者が乗ってから降りるまでの所要時間は20秒となる。

ステップ1段の蹴上げ(高さ)は約0.2mなので、20秒の間に25ステップ(=5m)、1分間では75ステップ移動することになる。静止側の乗車率は50%なので、エスカレーターは片側1分あたり(75x0.5=)37.5人連ぶことが可能だ。…(1)

つまり静止側の65人を運ぶ場合、(65/37.5×60=)104秒かかる。

一方で、健常者が階段を上る速さは概ね分速30mと言われており、エスカレーターを歩行した場合の移動速度は、ステップ分速15m+歩行分速30m=分速45mと換算できる。これは静止利用時の3倍の速度なので、ステップ枚数に換算すると、1分間で225ステップ移動できるということになる。

歩行側の乗車率は27%なので、エスカレーター歩行時は1分あたり(225✕0.27=)60.75人運ぶことができる。つまり静止側と同じ65人を運ぶのに、歩行側は(65/60.75✕60=)64秒かることになる。

したがって、歩行した場合の方が輸送効率が高い(60.75人/分>37.5人/分)ことになるが、重要なポイントは100人中65人が静止側で立ち止まることを選択すること。これにより、片側空けで100人を運びきるためには結局1分44秒かかってしまう計算になる。

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