1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

死亡事故件数は建設業の約2倍、園芸高校の1年生が農作業中の事故をVRで疑似体験

マイナビニュース / 2024年5月22日 11時1分

画像提供:マイナビニュース

JA共済連は6月17日、東京都世田谷区の都立園芸高校の生徒たちを対象にした農作業安全授業を実施した。本授業に参加したのは同校園芸科1年の約70名。生徒たちは農作業事故を防ぐために開発された「農作業事故体験VR」の疑似体験を通し、農作業事故の危険性などを学んだ。

○■年間約7万件が発生する農作業事故

農業を学ぶ高校生たちに農作業事故について適切な知識を学んでもらい、対策を身に着けてもらおうことを目的に実施された今回の農作業安全授業。

授業は2コマにわたって実施され、生徒たちは農研機構とJA共済連の担当者から農作業事故の現状などの講義を受けた後、両者が共同開発した「農作業事故体験VR」を用いて、農作業中に発生しやすい事故を疑似体験した。

農作業安全研究に取り組む農研機構の担当者は、就業者10万人あたりの死亡事故者数が建設業など他産業で減少傾向にあるのに対し、農業従事者ベースでは上昇傾向にある実態を紹介。

より安全な農作業のため、農作業安全研修の指導者の育成や研修資材の開発といった施策を進めることが急務となっており、その研修ツールのひとつとして「農作業事故体験VR」をJA共済連と共同開発したという。

JA組合員向けに共済事業などを展開するJA共済連は、農研機構の知見を活用してVRコンテンツを開発。地域貢献活動の一環として農作業事故防止のための啓発活動などに注力しており、農作業中の危険をVR体験できる研修会を各地で開催している。

講義パートでは、農林水産省省が毎年公表する就業者10万人あたりの死亡事故発生件数のデータから、農業における死亡事故件数は年間11.1件発生していると説明。近年、安全対策が進む建設業の約2倍、全産業平均の約9倍という数字になっている現状を解説した。

さらに、農作業事故の全体像を明らかにするため、JA共済連では共済金請求時の事故状況データを分析。その結果、後遺障害事故は死亡事故の約2倍、入院や通院が必要な傷害事故は死亡事故の266倍発生しており、農作業事故全体では年間約6万5000件の事故が発生しているとの推計を示した。

また、こうした事故は場所や天候などの「環境」、農機具などの「物」といった要因が重なることで引き起こされ、農業機械などが関係する事故は件数的にも多く、重大事故につながりやすいことも明らかになったという。
○■VRで危険を予見する力が身につく

発生頻度が高く、大きな事故になりやすいケースに対処するため、農研機構とJA共済連が共同開発した「農作業事故体験VR」では、優先度の高い全8種類のケースがVRコンテンツ化されている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください