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外国旅行熱が高まって中国は「観光赤字」

ニューズウィーク日本版 / 2015年2月10日 16時54分

 中国が「観光赤字」に直面している。中国人がどんどん外国に出掛けて金を使うようになった一方で、中国にやって来る観光客は減っているからだ。中国政府の統計によれば昨年、外国に行った中国人は計1648億ドルを支出したが、中国を訪れた外国人観光客の支出は512億ドルにとどまった。

 外国を訪れる中国人観光客が増えた背景には、国民の可処分所得が増えたことや国の経済成長がある。彼らは多くの国を潤している。例えばアメリカを訪れた中国人の平均支出は5400ドルと、他国の旅行者の平均を21%上回る。

 その一方で中国を訪れる観光客は減り続け、国家観光局の統計によれば昨年1〜11月に中国を訪れた外国人観光客は1億1691万人。11年には1億3542万人だったから、かなりの減少だ。考えられる要因は大気汚染や人民元高、ビザ取得手続きの複雑さなどだ。

 現在の「観光赤字」は、旅行に対する中国人の意識の変化を示しているようだ。「中国人が外国旅行に熱心なのは、その機会を手にしたばかりだから」と、北京旅行学会の劉思敏(リウ・スーミン)副秘書長は言う。赤字になるのは当然かもしれない。

[2015.2.10号掲載]
ミシェル・フロルクルス

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