「テロに屈しない」方針を覆した米政府と反対勢力
ニューズウィーク日本版 / 2015年6月25日 16時30分
米ホワイトハウスは昨日、テロ組織などに国外で拘束されたアメリカ人の家族らが、人質解放のために身代金を支払っても刑事訴追しない、と方針を転換した。昨年8月にISIS(自称イスラム国、別名ISIL)に拘束された米ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリーの家族が身代金をかき集めて回っていたところ、米政府に刑事訴追を脅されて批判が集まっていた。
米議会の超党派の議員はこれに反対している。テロリストに安易に身代金を払うより、人質解放にもっと努力すべきというのだ。 カリフォルニア州のダンカン・ハンター下院議員(共和党)は、オバマ政権の方針転換はうわべを取り繕ったに過ぎず、逆にもっと多くの人質が取られることになるだろうと批判した。
ところでアメリカは、1月にISISが日本人2人を人質にして身代金を要求した際にも、支払いに反対姿勢を示していた。日本政府も結局支払いには応じなかったもよう。身代金を払えば、新たなテロの資金を提供したに等しいといわれていたからだ。そして、フォーリー氏と同様、2人も殺害された。
フランスやスペインのように、テロリストに身代金を払っても自国民を救助してきたといわれる国もあるなか、これまでアメリカと共同歩調を取ってきた国の方針も問われる。
ウェブ編集部
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