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トランプ「不法移民の国外追放」を支持する人々の感情論 - 冷泉彰彦 プリンストン発 日本/アメリカ 新時代

ニューズウィーク日本版 / 2017年2月23日 17時0分

具体的には、農場、造園業、建設業などの現場労働、食品加工業などの工場労働、レストランなどサービス業での作業労働などで、不法移民の存在がアメリカ経済を支えていると言っても過言ではありません。



これに対して、今回のトランプ政権の措置を支持する「不法移民反対派」の人々は、自分たちの雇用を不法移民に奪われているという「怒り」がベースになっているのではない、と考えられます。トランプ支持者は、少なくとも芝刈りやイチゴ摘み、皿洗いなどの肉体労働を「やりたい」人々ではありません。

そうではなくて、オバマやヒラリーが、あるいはブッシュやマケインが、違法に越境してきた犯罪者の味方をして、その追放を主張する自分たちを「不法移民の敵」すなわち「人道に反する悪人」のように非難することに、激しく怒っているのです。つまりほぼ100%感情論で成り立っている主張なのですが、それゆえにトランプ政権としては、その感情を求心力として利用しようとしているのでしょう。

この政策によって、家族生き別れの悲劇のニュースなどがポツポツと飛び込むようになってきた一方、筆者の住むニュージャージーの郡内でも、ホープウェル自治村というコミュニティが「サンクチュアリ・シティ」宣言をするなど、トランプ政権に対する反撃も始まっています。

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