全人類に「金融包摂」を...「民間版世界銀行」を目指す五常・アンド・カンパニーの「目標」
ニューズウィーク日本版 / 2024年4月11日 14時50分
昨期は営業黒字を達成する一方、貸倒率は業界水準より低い2%以下で推移している。「営利とミッションとを両立する企業風土」だと高橋が説明するとおりの実績を、積み上げつつある。
最終目標は低価格で良質な金融を50カ国1億人以上に届けること。アフリカ進出も計画中で、日本での上場も見据える。五常が名実共に民間版世界銀行として世界に知られる日は、近いかもしれない。
五常の強さは創業者で投資銀行出身の慎泰俊とその経営チームではないだろうか。慎とは個人的にも知り合いだが、法律的には無国籍といえる朝鮮籍という出自もあって「無国籍人」として世界中どこへ行っても溶け込んで現地の課題を把握できる能力がある。また、さまざまな不自由な思いをしていることから世界の不自由を取り除きたいという常人にはない高い志もある。だから彼は自分が五常で掲げたビジョンと、そのために何をすべきかについて「腹落ち」しているし、一緒に働くチームにもうまく説明して腹落ちさせることができる。目的を腹落ち・納得させて実行に移すプロセスを経営学で「センスメイキング理論」という。今の日本の企業に最も欠けているのが、働き手の腹落ちだと思う。
──解説:入山章栄(早稲田大学大学院経営管理研究科、早稲田大学ビジネススクール教授)
澤田知洋(本誌記者)
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
サステナブルな社会実現に向け、社会課題解決に挑戦する企業へのインパクト投資を開始
PR TIMES / 2024年6月17日 13時45分
-
富士通、社会課題解決に挑戦する企業に対しインパクト投資を開始
マイナビニュース / 2024年6月17日 13時10分
-
6月15日、 東洋学園大学(本郷キャンパス)で遊んで学べるシングルマザー親子向けイベントを開催、参加者を募集
PR TIMES / 2024年6月6日 16時15分
-
特定技能として在留資格が設けられた「自動車運送業」における人手不足解決に向けたインドネシアでの調査結果と新たな取り組みの報告
PR TIMES / 2024年5月21日 18時45分
-
インドネシアのスタートアップCROWDE社、融資型クラファン運営で農家を支援
Techable / 2024年5月19日 17時0分
ランキング
-
1ウクライナ平和サミット、領土一体性の原則など共同声明を採択…インドや南アは支持表明せず
読売新聞 / 2024年6月16日 22時36分
-
2イスラエル、ガザ軍事活動を一部停止…支援物資搬入増へ国際的批判に配慮
読売新聞 / 2024年6月16日 22時48分
-
3G7のウクライナ融資、EU諸国は直接関与せず=イタリア首相
ロイター / 2024年6月17日 8時4分
-
4バイデン氏がセレブと選挙資金集会、3000万ドル調達 最高裁批判も
ロイター / 2024年6月17日 9時54分
-
5ロシア機、バルト海でスウェーデン領空侵犯
AFPBB News / 2024年6月16日 16時55分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください