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攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

ニューズウィーク日本版 / 2024年4月15日 16時17分

今年1月15日、ガザ地区から飛んできたロケット弾をアイアンドームが迎え撃つ様子(イスラエル・アシュケロン)REUTERS/Amir Cohen/File Photo

<イランが発射した大量の無人機とミサイルを、イスラエルの防空システム「アイアンドーム」が黙らせた>

4月13日にイランはイスラエル領内に大規模攻撃を仕掛けたが、ソーシャルメディア上で共有されているライブ映像や動画は、イランのドローンやミサイルをイスラエルの防空システムが迎撃している模様を伝えている。

【動画】宇宙戦争!? イラン無人機とミサイルの大規模波状攻撃を黙らせたイスラエルの最強の盾「アイアンドーム」

イスラエル国防軍は13日、イランが自国領土内からドローンをイスラエルに向けて発射したことを本誌に対して認めた。

 

イスラエル国防軍によれば、ミサイル防衛システム「アイアンドーム」を含むイスラエルの防空システムは、イランの無人機による攻撃に備えていた。イランによる今回の無人機攻撃は、4月初めにイラン革命防衛隊の将官2人が殺害されたイスラエルによる空爆に対する報復だ。

CNNが放映したエルサレムからの映像では、イスラエルの防空システムがイランの無人機を迎撃しているように見える。X(旧ツイッター)に投稿された約2分間の映像では、サイレンが鳴り響くなか、イスラエルの都市上空で爆発が起き、明るい閃光が走る様子も見える。

「上空で複数の異なる方向からの迎撃が続いている」と、CNNの国際外交担当編集者ニック・ロバートソンは13日の夜に報告した。「どれが飛来するミサイルで、どれが迎撃ミサイルなのか、区別がつかない」

夜空で起きた戦闘

ロバートソンは、20〜30発のミサイルが迎撃されたところを目撃したと語った。

「何度も爆発音が聞こえる。これもまた迎撃ミサイルによる音のようだ」と、彼は言う。「攻撃ミサイルによる衝撃音は聞こえない」

ソーシャルメディア・ユーザーのAcynは、CNNの映像をXに投稿し、こうコメントした。「これはライブ映像だ。見えているものが何か、正確にはわからないが、空にいくつも筋が見える」

タイムズ・オブ・イスラエルの軍事特派員エマニュエル・ファビアンがXに投稿した別の動画には、エルサレム上空での爆発が映っている。

「エルサレムにある神殿の丘の上空で起きたイランの攻撃のシュールな映像」と、ファビアンはコメントした。

「イスラエル国防軍は厳戒態勢を敷き、常に作戦状況を監視している」とイスラエル軍は13日、本誌に声明で答えた。「イスラエル空域で防衛任務に就いているイスラエル航空宇宙軍(IAF)戦闘機やイスラエル海軍の艦船とともに、国防軍の空中防衛システムは厳戒態勢にある。イスラエル国防軍はすべての標的を監視している。国民には、民間防衛軍司令部の指示と、この件に関するイスラエル国防軍の公式発表に従うことを求めている」

イランがイスラエルに報復を予告し、13日に実際に攻撃を行ったきっかけは、4月初めにシリアでイランの将官2人と士官5人を殺害したイスラエルの攻撃だった。

2023年10月7日に、パレスチナのイスラム組織ハマスがイスラエルに奇襲をかけ、1200人を殺害して以来、イスラエルとハマスの戦闘が始まった。以来、イスラエルとイランの緊張は高まっている。イスラエルは、ガザ地区に潜むハマスを標的に作戦を開始。地元の保健当局者によれば、パレスチナ人3万3000人以上が殺害された。

アメリカとイスラエルの両政府高官は、イランがハマスやイスラム聖戦機構だけでなく、レバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ派、イラクやシリアの諸勢力など、海外の民兵組織に政治的、物質的な支援を提供していると非難している。

 



マイラ・ズーリック

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