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生成AIでネット広告はどう変わるのか

ニューズウィーク日本版 / 2024年4月25日 16時50分

この方法が非常にうまくいった。Googleはあっという間にに人気サイトの1つになった。ただマネタイズの方法が不明だった。ページ上に所狭しとバナー広告が張り巡らされているYahoo!と異なり、Goolgeの最初のページにはGoogleのロゴと検索窓があるだけ。バナー広告は一切なかった。「マネタイズをどう考えているのか」という質問にGoogleの経営者は「今はとにかくアクセスを集めるとき。マネタイズ方法はあとで見つかると思う」と語っていた。

そして見つかったマネタイズ方法が、検索連動型広告と呼ばれるものだった。ユーザーは欲しい情報を検索するのに検索キーワードを検索窓に入力した。このキーワードに関連する広告を表示するというのが、検索連動型広告だった。広告掲載の順番と広告料金は、特定のキーワードに広告を出稿したい広告主によるオークションの形式で決まった。

この検索連動型広告は抜群の広告効果を発揮し、Googleはインターネットの覇者となった。

それから20年。言語AIが大きく進化した。被リンクの数でページの重要性を推測しなくても、言語AIがページの内容や重要性を把握できるようになった。ユーザーが検索結果のページに掲載されるリンクを上から順にクリックし、リンク先のページを読んで、その中から必要な情報を探し出さなくても、チャット型AIに質問するとチャット型AIが答えを直接返してくれるようになった。

人力で情報をカテゴリー分けしていたYahoo!から、被リンクの数をベースにした技術で情報の検索を可能にしたGoogleのキーワード検索へ情報検索の主役の座が移行したように、今またキーワード検索からチャット型AIに主役の座が移行しようとしている。

問題はマネタイズ方法である。Googleが検索連動型広告というマネタイズ方法を見つけ出すまでにしばらくかかったように、チャット型AIもまだマネタイズ方法が見つけられていない。今、ChatGPTを初めとする多くのチャット型AIサービスが、月額20ドルのサブスクリプションを収入源にしている。恐らく、そうしたシンプルなサブスクとは別のマネタイズ方法が出てくるのだと思う。シンプルなバナー広告でもないと思う。検索連動型広告よりもさらに広告効果が優れていて、情報を提供したい企業と、その情報を求めている人をより正確に結びつけるような仕組みが、今の言語AIでできるのではないだろうか。

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