沖縄・西表島でキャンプツアー解禁を検討 竹富町、国の認定を目指す 住民に懸念「希少動物の保護を優先すべき」
沖縄タイムス+プラス / 2024年3月1日 16時27分
沖縄県竹富町は西表島内9カ所の海浜でキャンプ(野営)ツアー解禁の検討に入った。西表島では環境保全などのため、キャンプは原則禁止だが、規則を整えて手付かずの自然を守りながら、キャンプを伴う自然体験ツアーを促進する。島内の事業者と行政団体からなる野営ワーキンググループを立ち上げ、ガイドラインや計画を策定し、国の認定を目指す。1月28日にあった西表島エコツーリズム推進協議会で、町の担当者が明らかにした。(高山雄介通信員、八重山支局・平良孝陽)
候補地は国立公園内の9カ所。ビーチパーティーやバーベキューではなく、シーカヤックやトレッキング途中でのテント泊や露天泊の「野営」を対象に指針を定める。手付かずの自然を守りながら、キャンプを伴う自然体験ツアーとの好循環を図る。
西表島では1990年代ごろからカヌーなどを用いたツアーが人気となり、一部事業者によってキャンプツアーが行われていた。規則の整備が不十分なため、2022年末に国が認定した西表島エコツーリズム推進全体構想では、キャンプは原則禁止とした。
ただ、キャンプを伴う海浜でのツアーについては、島の多様な魅力に触れる自然体験の一つとして検討を続けた。22~23年度には観光庁の調査事業の採択を受け、ワーキンググループを立ち上げて、指針や計画を策定する方向に至った。
一方、候補地は国の特別天然記念物に指定されているイリオモテヤマネコなどの生息地とされており、電波の届かない環境下でのツアー客の遭難など、環境負荷や安全面で課題が残る。
協議会の委員で、上原地区連合公民館の庄山守代表は「住民はキャンプ場以外ではキャンプ禁止と理解しており、十分な説明がないまま許可されるようになるのは納得がいかない」と指摘。環境負荷のモニタリングの仕組みも不明確といい「ウミガメやアジサシ類、ヤマネコの保護が優先でキャンプ禁止が望ましいのでは」と訴えた。
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