西島秀俊&青木崇高、黒沢清監督『蛇の道』出演 たった1日のパリロケで周囲を圧倒
ORICON NEWS / 2024年4月9日 12時0分
黒沢清監督が全編フランスロケ、フランス語で撮影を敢行した、日仏共同製作映画『蛇の道』(6月14日公開)に、西島秀俊、青木崇高が出演していることが発表された。
【画像】不穏な場面写真とリラックスした雰囲気のメイキング写真
フランスの映画制作会社CINEFRANCE STUDIOS(シネフランス・スタジオ)とKADOKAWAによる日仏共同製作による本作は、1998年に日本で劇場公開された黒沢監督の傑作サスペンス『蛇の道』をセルフリメイクした作品。他人の復讐に協力する謎に包まれた精神科医・新島小夜子を柴咲コウ。殺された娘の復讐に燃える男・アルベールをフランスの俳優ダミアン・ボナールが演じる。
西島が演じるのは、パリで精神科医として働く小夜子の元に通う患者・吉村。黒沢監督とは『クリーピー 偽りの隣人』(2016年)を含め4作品でタッグを組んできた。「第74回カンヌ国際映画祭」で脚本賞ほか全4冠に輝き、「第94回アカデミー賞」国際長編映画賞も受賞した『ドライブ・マイ・カー』(21年、濱口竜介監督)で主演を務めた西島。昨年は北野武監督の『首』で再びカンヌ映画祭に参加し、フランスでも顔と名前がよく知られている。
西島は、「黒沢監督と再びご一緒できたこと大変うれしく思います。あの復讐の物語が再び描かれる、しかも舞台はフランスということを聞き、驚き興奮しました。復讐の果てにはいったい何があるのかが描かれています。これまでに見たことのない物語が待っていると思います」とコメントを寄せている。
あわせて解禁された場面写真で、小夜子のもとへ診察に訪れた吉村が虚ろな目でじっと何かを訴えるような姿、また小夜子の側面にぴったりと立ち、生気の無い顔で見下ろす姿が公開。その静かで不穏な存在が、本作でどのように観客の心をざわめかせるのか期待が高まる。
一方、青木が演じるのは、オンラインで登場する小夜子の夫、宗一郎。今年、日本で公開された韓国映画『犯罪都市 NO WAY OUT』(23年)にメインキャストとして出演し、先月の「第96回アカデミー賞」視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』でも重要な役どころを好演するなど、国内外の作品に積極的に参加している。
青木は、「国内外に多くのファンを持つ黒沢清監督の作品に関われたこと、同じ日本人としてとても誇らしく思いました。この映画を世界のより多くの方に観ていただきたいです」と語っている。
場面写真では、薄暗い殺風景な部屋でパソコンに向かい、パリに住む小夜子に語りかけている姿をみることができる。しかし、その画面を見つめる小夜子の表情は氷のように冷たく、この夫婦の間に流れる溝の深さが計り知れないことが伺える。
黒沢監督は、「西島さん、青木さんともに、この映画に素晴らしい多様性と華やかさと、そしてただならぬ緊張感とをもたらしてくれました」と語っている。
■黒沢清監督のコメント
西島さん、青木さん、ともにたった1日のパリロケでしたが、この映画に素晴らしい多様性と華やかさと、そしてただならぬ緊張感とをもたらしてくれました。現場では、柴咲さんも久しぶりの日本語の芝居でずい分リラックスしていらっしゃいましたが、いざカメラが回り始めると、互いの腹を探り合うような、おふたりとの不穏なやりとりに、フランス人スタッフたちもただただ圧倒されていたようです。
■西島秀俊(吉村役)のコメント
黒沢監督と再びご一緒できたこと大変うれしく思います。『蛇の道』はとても好きな作品です。あの復讐の物語が再び描かれる。しかも舞台はフランスということを聞き、驚き興奮しました。
私が演じた吉村は、監督が実際に会ったことのある人物にインスパイアされて出来上がったと伺い、現場で一緒に人物像を作り上げていきました。作品をご覧になる皆様に吉村という人間がどのように映るのかとても興味があります。そして柴咲さんと再び共演し、その鋭い感性と高い集中力に引き込まれる事で、小夜子と吉村の独特の緊張感を生み出すことが出来たのではないかと感じています。
『蛇の道』は復讐の果てにはいったい何があるのかが描かれています。これまでに見たことのない物語が待っていると思います。
■青木崇高(宗一郎役)のコメント
緊張と狂気をはらんだ物語とは全く違って、現場の雰囲気は監督のお人柄が映し出されているような、とても温かく心地のよいものでした。フランスの現地スタッフに敬意を払いながら、1カットずつ丁寧に撮られる姿はとても印象的でした。
主演の柴咲さんは、撮影前からしばらくフランスで生活されていたからなのでしょう、佇まいがしっかりとなじんでいて、大変驚きました。また立ち姿がとても美しく感じました。
国内外に多くのファンを持つ黒沢清監督の作品に関われたこと、同じ日本人としてとても誇らしく思いました。この映画を世界のより多くの方に観ていただきたいです。
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