ミサイルを「迎撃」するトルコの対戦車ミサイル防御システム
おたくま経済新聞 / 2018年3月7日 19時5分
PULATの概念図(Image:ASELSAN)
2018年3月4日(現地時間)、トルコのイスマイル・デミル国防産業次官は自身のTwitterで、装甲戦闘車両用のアクティブ対戦車ミサイル防御システム「AKKOR PULAT」の試験に成功したと発表しました。相手の対戦車ミサイルを迎え撃つ形で防御する、ユニークなシステムです。
PULATはトルコの軍事大手アセルサン社と、トルコ科学技術開発研究所が共同開発したシステム。2008年から研究が始まり、2015年からは国防産業次官の予算のもと、開発が続けられてきました。そして2018年3月4日、デミル防衛産業次官が自身のTwitterで試験に成功したことを明らかにしたものです。
Müsteşarlığımız tarafından geliştirilen Akkor Pulat aktif koruma sistemi, atışlı test faaliyetleri başarıyla gerçekleştirildi. pic.twitter.com/fRWvoSueYX
— Ismail Demir (@IsmailDemirSSM) March 4, 2018
PULATはレーダーシステムと迎撃システムで構成されます。戦車など装甲戦闘車両の端部に各方向に向けた迎撃システムを装着し、360度をカバーする仕組み。レーダーによって対戦車ミサイルの接近を検知すると、対応する場所にある迎撃システムから散弾を発射し、ミサイルを物理的に破壊します。このため「アクティブ防御システム」と呼称しているのです。
PULATのシステム解説(Image:ASELSAN)レーダーを使っているために、砂塵や悪天候などで光学センサーや赤外線センサーが働きにくい場面でも、的確に接近する対戦車ミサイルを捉えることができ、確実に迎撃が可能だといいます。また、レーダーユニットはコンパクトで、迎撃ユニットは取り付ける場所を選ばないので、多くの装甲戦闘車両に装備することが可能。汎用性の高さもアピールしています。
艦艇に搭載されている個艦防御システムCIWS(Close In Weapon System=近接防御火器システム)のように、近くまで接近したミサイルを弾幕で物理的に破壊するというユニークな防御システム。そう何回も使えるものではなさそうですが、いまや戦車の敵は戦車ではなく対戦車ミサイルという時代なので、このアクティブ防御システムの需要は大きそうです。
Image:ASELSAN
(咲村珠樹)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
イスラエル、要人の暗殺計画阻止と発表 軍はレバノン南部を攻撃
ロイター / 2024年9月19日 18時34分
-
ロッキード・マーティンが自衛隊に狙う次の一手 新レーダーや垂直発射装置のビジネスチャンス開拓に熱
東洋経済オンライン / 2024年9月19日 10時0分
-
ハマス幹部、戦闘継続に自信=イスラエル、フーシ派ミサイル破壊できず
時事通信 / 2024年9月16日 7時3分
-
乗員なしで戦う“自分で考えて動く装甲車”が公開される「危険な任務は機械がやって!」実現間近?
乗りものニュース / 2024年9月14日 18時12分
-
アメリカ陸軍 ウクライナで崇められた「対戦車ミサイル」を“過去最大規模”で発注へ 驚愕の予算になった理由は
乗りものニュース / 2024年9月7日 11時42分
ランキング
-
1不動産会社の女性経営者が教える! 間取りでわかる「選んではいけない賃貸物件のNG特徴」5選
ananweb / 2024年9月21日 20時0分
-
2「和牛」と「国産牛」は何が違うのか…高級な「A5ランクの和牛」がおいしいとは限らないワケ
プレジデントオンライン / 2024年9月21日 16時15分
-
3ペーパードライバーの “迷惑運転行為”に、走行距離30万km超のゴールド免許所持者が怒りの告発
日刊SPA! / 2024年9月15日 15時52分
-
4「やってみますじゃないんだよ!」糖尿25年の男性が医師の"最終激怒警告"3カ月後に迎えた「まさかの結末」
プレジデントオンライン / 2024年9月22日 10時15分
-
5黒板の「書き写し」、教科書に「蛍光マーカー」は意味がない…最新研究でわかった「頭がよくなる科学的な勉強法」
プレジデントオンライン / 2024年9月22日 9時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください