2022年「お肌の若返り」3大キーワードって?エイジングケア専門家の注目は…
OTONA SALONE / 2022年3月8日 17時0分
アラサー、アラフォーを迎えると、お肌のハリの減退や小じわ、お肉の垂れ下がり…とエイジングサインがチラホラ…。しかし、諦めるなかれ!
実は近年、お肌のエイジングケア研究はますます進化を遂げ、いままで知られていなかった“若返り!”のメカニズムが発見されているのです。
2022年のエイジングケアのトレンドになりそうな、絶対注目のキーワードを専門家に伺いました。
細胞年齢を左右する、細胞の中にある酵素、「マイトリガーゼ」って?
「ここ数年は、医療分野だけでなく美容分野においても、ミトコンドリアの働きに注⽬が集まってきている印象があります。ミトコンドリアは細胞内に存在するエネルギーを作る⼩器官ですが、最近の研究では、年齢とともにミトコンドリアの質が落ちることがわかってきています。
ミトコンドリアの機能低下の中で注目すべき点として、ミトコンドリアの中に存在する『マイトリガーゼ』という酵素の減少があります」(美容皮膚科医・宇井千穂先生)
2006年に東京薬科大学の柳茂教授(現・学習院大学教授)によって発見された、細胞のミトコンドリアの中に存在する酵素、「マイトリガーゼ」。そして、肌の若返りの鍵を握ると考えられる「マイトリガーゼ」の研究を進めてきた大正製薬によって、2021年、世界で初めて、「マイトリガーゼ」の減少を防ぐことがお肌の若々しさを保つ上で重要なアプローチになると発見したといいます。
「マイトリガーゼ」が減少すると、ミトコンドリアの機能が低下。その結果、皮膚に慢性炎症が生じ、老化を加速してしまう可能性があるそう!
でもご安心。この「マイトリガーゼ」を増やす成分も発見できているということ。
モモ、ハマメリスの葉(英語ではウィッチヘーゼル)、ボタンの根(ボタンピ。牡丹の根皮を乾燥したもの)などの抽出物を組み合わせることで、「マイトリガーゼ」の減少を抑制し、肌表面の美しさやバリア機能をアップさせてくれる可能性が!
今後、「マイトリガーゼ」減少に対策して老化を食い止めてくれる化粧品などがデビューしてきそうですね!
“遺伝子が若返る”が、起こる!?細胞培養技術から発見された「CELLAMENT® (セラメント)」
タマゴ(鶏卵)を原料にした超・ハイテクノロジーなエイジングケア成分が誕生しているのを知っていますか?
「タマゴは食物繊維・ビタミンC以外の栄養を全て含んだ完全栄養食であるだけでなく、人体内で作れない必須アミノ酸すべてを含んでいる、まさに、細胞を生かす根源となりうる存在です。
このタマゴ(有精卵)の胎盤の役割を果たす部分の細胞を培養し、その上清液(細胞から放出される成長因子等をたっぷりと含んだ上澄み液)をヒトの大人の皮膚細胞(線維芽細胞)にかけると、皮膚の細胞(線維芽細胞)の遺伝子の発現パターンが大人のパターンから新生児のパターンに近づける、いわば、”巻き戻される”ことがわかりました」(インテグリカルチャー社CTO・川島一公さん)
どういうことかというと、生物の細胞には細胞を形作る“遺伝子のパターン(種類の現れ方)”があり、このタマゴの胎盤部分の上清液には、肌を作る細胞を遺伝子発現レベルからして若い状態に導くことが期待されるということ。ほかにも、肌の線維芽細胞の増殖促進、バリア機能向上、紫外線ダメージに対する抗炎症作用、抗酸化作用、皮脂合成抑制作用、メラニン産生抑制などにも寄与する可能性もあるそう。
この成分は「CELLAMENT® (セラメント)」と名付けられ、2022年から実際にユーグレナ社のコスメなどに使用されています。
美肌から薄毛対策にまでパワフルに使える「LED照射」
「LED」とは「Light Emitting Diode=発光ダイオード」のことで、信号機、電光掲示板、住宅・屋外照明、液晶ディスプレイ等、身近なところでも使われています。最近ではこのLEDライトを応用してエイジングケアができる美顔器が続々と登場しています。
片手で持って顔のパーツごとにLEDを照射するタイプや、韓国ドラマでもたびたび登場する、仮面型で1000個以上のLEDライトを一気に全顔に当てられるもの、首や頭を覆ってそのまま放置できるものなど、さまざまなタイプがありますよね。
「LED照射はシミやシワなどを含め、ニキビ治療など多岐にわたるケアに活用されます。
そして、AGA (男性型脱毛症)やFPHL (女性型脱毛症)、AA(円形脱毛症)への効果も期待できます。男性型脱毛症用薬で話題になっている『ミノキシジル』を外用した結果と同等の育毛効果が得られたという報告もあるので、加齢とともに気になる薄毛対策としても注目です」(皮膚科医・日比野佐和子先生)
LEDには様々なカラー光線が存在し、色によって用途が分かれるそう。
「波長が長い赤色LEDは真皮の深層まで到達することから、線維芽細胞を活性化、コラーゲン産生を促進し、乾燥やシワ対策に。青色LEDは抗菌作用、ピーリング効果があり、ニキビ対策にも。ピンク色は赤色と青色のミックスで2カラーの効果双方を一緒に得られます。
緑色LEDはシミに、黄色LEDはリンパ流の促進、ターンオーバー亢進が期待でき、むくみ・たるみ・シワ対策に適しています」(日比野先生)
コスメだけでなく、光のチカラも借りてよりパワフルにエイジングケアにチャレンジしたいですね。
年々刷新される!エイジングケアの新常識。
知識をアップデートして、新テクノロジーに“若々しく”してもらっちゃいましょう!
お話しを伺ったのは…
宇井千穂(うい・ちほ)先生/皮膚科医・美容皮膚科医
やさしい美容皮膚科・皮フ科秋葉原院院⻑。1969 年生まれ。1990年準ミス日本本受賞。北里大学医学部を卒業し、現在、皮膚科医、美容皮膚科医として勤務。近年は、WEB・雑誌での連載やサプリメント・化粧品の監修など、多方面で活躍。新聞・雑誌などメディア出演も多数。
川島一公(かわしま・いっこう)さん/インテグリカルチャー株式会社 取締役CTO
2012年、広島大学にてPh.D (農学)を取得。Baylor College of Medicineフェロー、JSPS( DC1,PD)フェローを経て、インテグリカルチャーを共同創業。日本生殖内分泌学会 学術奨励賞、日本受精着床学会 世界体外受精会議記念賞、日本繁殖生物学会 学会発表賞 口頭発表部門を受賞。
日比野佐和子(ひびの・さわこ)先生/
医学博士。内科医、皮膚科医、眼科医、アンチエイジングドクター(日本抗加齢医学会専門医)。
大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学特任准教授、医療法人康梓会Y’sサイエンスクリニック広尾統括院長。同志社大学アンチエイジングリサーチセンター講師、森ノ宮医療大学保健医療学部准教授、(財)ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部アンチエイジング医科学研究室室長などを歴任。中医学、ホルモン療法、プラセンタ療法、植物療法(フィトテラピー)、アフェレーシス療法(血液浄化療法)などを専門とする。アンチエイジングの第一人者として国際的に活躍するほか、テレビや雑誌などにも数多く出演。
画像:Shutterstock(laxmico)
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