閉経後に突然始まったホットフラッシュ、イライラ、眠気。やっと見つけた治療法も、中止せざるを得ない状況に!
OTONA SALONE / 2024年4月21日 22時0分
閉経の前後5年を一般に更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は一般的には50歳といわれていますが、新しい研究での平均値は52.1歳とされています。となると、47~57歳の世代は更年期に当たる人が多くなります。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。
私ってもう更年期なの? みんなはどうなの?
オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)
【100人の更年期#105】前編
◆フミさん 61歳
39歳のときに入社した会社で現在も事務職として勤務。55歳で乳がんになり左乳房を切除
49歳で閉経。その後からホットフラッシュが始まり仕事の書類に汗がポタポタと落ちる日も
はじめまして。今年の5月で62歳になるフミです。私は49歳の年の終わりごろから急に体の不調を感じ始め、同世代の友人に「それ、更年期だよ」言われてはじめて、自分が更年期だと気付きました。もともと、45歳から経血量が激減し始めて、消しゴムのかすみたいな血の形状が続き49歳には閉経したので、自分でも更年期だろうなと思いました。
私が最初に感じた体の異変は、ホットフラッシュでした。なんの前触れもなく突然、顔から汗が吹き出すようになり、ひどいときは仕事の書類に汗がポタポタと落ちてしまうほどでした。続いて、イライラしたり、頭が真っ白になって何も考えられなくなったり、食後に強い睡魔に襲われて、パソコンを打ちながら寝落ちしたりするようになりました。他に、気分が落ち込んで、今までの人生を全否定して泣いてしまうこともありました。
ただ、当時の私は「ずば抜けた才能があるわけでもない私が仕事をさせていただけるだけありがたい。会社に迷惑をかけないようにしなければ」という思いが強く、どんなに体調が悪くても、我慢して働いていました。
更年期でぐったりしていた日々がウソみたい!元気と性欲がみなぎる更年期治療との出合い
そんな私の異変に気付いた友人が、「それはきっと更年期の症状よ」と教えてくれました。その友人は私と同世代で、更年期の辛さを軽減するためにホルモン注射を打っているとのことだったので、私も同じ病院でホルモン注射を打ってもらうことにしました。その病院の待合室には、ホルモン注射を打つために、遠くの県から何時間もかけて来たという60~90歳代の女性がたくさん順番待ちをしていました。
私にとって初めてのホルモン注射は、「血湧き肉躍る」という言葉がぴったりの、体中からエネルギーがあふれ出るような快感を覚えました。それまでぐったりしていた心と体は何だったのかと思うほどの活力が湧き、やる気がみなぎり、なぜか無性にときめきを感じました。また、乾燥しきって砂漠状態だった女性器にうるおいが戻り、性欲が出て性生活が楽しくなりました。仕事もエネルギッシュにこなせるようになり、「こんなに素晴らしい注射があれば、何歳になっても元気でいられそう!」と思った私は、2週間に一度のペースでホルモン注射を打っていました。それくらい、私にとっては永遠の若さを期待させるレベルの、魔法の注射でした。
ただ、ホルモン注射を打ち始めてしばらくすると、口元に薄いヒゲが生え始めました。また、筋肉注射だからか、打った場所にしこりのようなものが出来てしまいました。そこで少し不安に思いましたが、打てば元気と性欲が出るため、気にしないようにして打ち続けていました。
魔法の注射の仕組みを知って使用を中止。HRTに変えた私の体は…
ホルモン注射を打つ生活を始めて1年ほど経ったころ、私に注射を紹介した友人が血相を変えて私のところにやってきました。友人は開口一番「あのホルモン注射、女性ホルモンだけじゃなく男性ホルモンもミックスされているんだって。さっき先生に聞いて、怖くなって…… 私、打つのを止める」と言いました。それを聞いた私も怖くなり、友人と同じタイミングでホルモン注射を止めました。
止めてから数日は何事もなく過ごせましたが、2週間が経ったころから、体がだるくなり、ひどい眠気に襲われ、汗が吹き出し、イライラしたり落ち込んだりを繰り返すようになりました。
「ああ、やっぱり根本的に治ったわけじゃなかったんだ……」と思った私は、ホルモン注射に変わる更年期の治療方法を探し、婦人科でHRT(ホルモン補充療法)を受けることにしました。最初はパッチを貼るタイプの治療でしたが、粘着部分で皮膚がかぶれてしまったため、塗り薬と飲み薬に変えました。
HRTを始めてほどなく、再発していたホットフラッシュや眠気、だるさ、イライラは治まりました。そして、ホルモン注射ほどではないものの、やる気が出るようになりました。なにより、肌と髪がつやつやになったことに感動しました。
HRTとの出合いで再び更年期ケア方法を見つけられた私は、これで当面は体の心配をしなくていいと思っていました。ところが、HRTを始めて5年が経過した私の体に、HRTを止めなければいけなくなる事態が起きたのです。それは……。
*記事は体験談であり、治療の内容や効果を推奨しているものではありません。効果や副反応にも個人差があります。
【前編】では、フミさんが悩まされていた更年期の様々な症状を救ってくれたホルモン注射。副作用や成分のことが気になりだして治療を中断。そのとたん、再び症状に悩まされるようになったというお話を伺いました。
▶つづきの【後編】では、健康診断で見つかったあるものについてお伝えします。__▶▶▶▶▶
≪ライター・薬機法管理者 力武亜矢さんの他の記事をチェック!≫
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