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《次々と明らかになる水原一平容疑者の過去》日本ハム通訳時代には「大麻所持の前科」を抹消 勤め先の日本酒輸入会社で起きた「不当解雇訴訟」の真相

NEWSポストセブン / 2024年4月23日 10時59分

なぜ「大麻所持の前科」を抹消したのか(時事通信フォト)

 ドジャースの大谷翔平(29)の口座から多額の窃盗をしていた元通訳・水原一平容疑者(39)。経歴詐称や大谷翔平への“口裏合わせ”の懇願など次々と明らかになる過去は、我々が抱いてきた“頼れる相棒”のイメージとはかけ離れたものだった。現地・ロサンゼルスで彼の半生を辿ると、彼が「不都合な過去」を消し去ろうとした痕跡が見えてきた──エンゼルス時代に水原容疑者と交流があった、ノンフィクションライターの水谷竹秀氏がレポートする。(文中敬称略)【前後編の後編。前編から読む】

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 水原は高校卒業後の経歴を「カリフォルニア大学リバーサイド校卒」と公言していたが、同校は今回の騒動後、「彼が通っていた記録はない」と公表している。

 高校を卒業したのは2003年。わかっているのは2006年頃から、父・英政の旧友である松木保雄(75)が店長を務める日本料理店「古都」で、数年アルバイトをしていた事実だ。松木が語る。

「ホール担当として時給9ドルぐらいで雇っていました。ロサンゼルスにある日本酒の販売会社で働いていた時期もあります。うちにも一度営業に来ましたが、向いていなかったのか、あまりうまくなかったですね。一平ちゃんの父からは、カジノのディーラー学校に通っていたという話も聞きました。自分探しをしていたんでしょう」

 一方でこの頃には水原の重要な「裁判記録」が残っている。

 高校を卒業直後の2004年に車のスピード違反で取り締まりを受け、2008年には車中でマリファナを所持していたとして起訴され裁判沙汰になっている。

 現地の裁判所で入手した後者の裁判資料には、水原が「運転中のマリファナ所持」で有罪を認めたこと、翌2009年に州内の短大で更生プログラムを受けて不起訴処分となった事実が記載されていた。

「2014年に記録抹消の手続きを申し立てている」

 この“前科”は、水原がMLBの世界に入る際に問題視されなかったのか。カリフォルニア州弁護士会に登録している鈴木淳司弁護士は、「水原氏が記録を抹消した形跡がある」と解説する。

「資料を見ると水原氏は2014年に記録抹消の手続きを申し立てている。同年裁判所がこれを認めて、記録は破棄された。こうなると州法上、民間の就職などでは『前科なし』と説明しても問題はない」

 2014年といえば、大谷が侍ジャパンとして日米野球に出場、国際試合デビューを飾った年でもある。水原は当時、日本ハムで球団通訳を務めていたが、そのタイミングで記録を抹消していたことになる。

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